第30話 AVだと?
>分岐<の声。
『貴殿は、Aを選びましたね』
A サスケヒゲゾー伯爵は、Vサインをして木戸をくぐって行った。
『間違いございませんね』
「ああ、Vサインをしたが」
ふんぞり返って、粗末な木戸の控室から出た時だった。
『AのVですね』
「だから、何なんだよ、この頭に響く声は」
ゴッホのように耳をふさいでも、聞こえるものは聞こえる。
『分岐の声です』
「んあ? 分岐とは何だ?」
この世界、初心者講座。
ぴーろぴろり。
分岐とは……。
『運命とでも言い表しましょうか。決して読者様に逆らえないのです』
「ふんふんふんふん。だから、どうした」
『AV伯爵。くすり』
いやらしい笑いをセクシー・ド・ヨンゲーンは聞いたことがない。
ヒーローは運を味方につけるからだ。
「あ、キサマ。今、くすりとか笑っただろう。サスケヒゲゾー伯爵は許さん」
『結構です。許す許さないは、エンドに掛かっています。誰もがなりたいハッピーエンド、誰もが避けたいバッドエンドがあります。AV伯爵』
「サスケヒゲゾー伯爵を怒らすと怖いぞ。出て来い! AVの密売人。伯爵が成敗してくれる」
『欲しいのか……。くすり』
>分岐<
A Vを所望。
第31話へ。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884244257
B 面のアニソンっていいよね。
第32話へ。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884244359
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