第32話 残酷なB面

「アニソンは好きかい?」

 セクシー・ド・ヨンゲーンは、自身の控室から出て来た。


「なんだ、唐突に。アニメは、ネコーコ・ハルーミ姫が猫缶より好きだ。団子より花だ。よく、DVDを見せているぞ」

 サスケヒゲゾー伯爵は、振り向いて、髭をおどらせた。


「猫缶も好きでしたっけ。懐かしい話です」

 セクシー・ド・ヨンゲーンは、遠い空を見つめていた。

「ネコーコ・ハルーミ姫……。お懐かしい。早くお会いしたい。それには、優勝しないとならないな」


「ここで、一曲」

「お? 歌うのか! 愚かなマネはやめろ」


「えー。ネコーコ・ハルーミ姫の好きな『美少女アルバムシリーズの孤高の戦士Aya』のエンディング、『ダーティーハート』を歌います。ここから、心の声を届けたい」

「何でも勝手だな、豚」


「豚ではなく人でもない。セクシー・ド・ヨンゲーンのソウルソング! B面はいつも残酷編!」


 ……ちゃちゃちゃ。


 ♪ 誰もが 自由でいられない この闇の世の中で。

 ♪ 闘う理由もなく 血の涙を流したりはしない。

 ♪ あなたが 消えてしまうような このまやかしの言の葉で。

 ♪ 美しくひとさしで こころかたとなりはしない。


 ♪ セパレート 魂別つものあらば。

 ♪ セパレート 我が身をさいて孤高の戦士と呼ばれればいい。


 ♪ ダーティーハート ダーティーハート ダーティーハート。


 ♪ HUHUHU HUHUHU HUHUHU……。


 ちゃちゃちゃ……。


「終わりなりよ」

「ほ、本当に歌っちゃったよ。それより、聞いてしまったよ。何故か気持ちが高揚するな」


 >分岐<


 A セイレーンの誘惑に負けそうになる。

   第33話へ。https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884245829


 B アニソンB面についてあつく語る。 

   第34話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884246023

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