第14話 ウインクもダメ

「きたきた。可愛いこね……」

 猫野は四元豚ちゃんを抱き寄せた。


「目を閉じて……」

 ウインクを犬沢が繰り返す。


「うううん、ウインクじゃないの……」

 困った顔の猫野。


「うううん薄目もダメなの……」

 もう泣きそうである。


 ふが……。

 犬沢は、仕方なく両目をしっかり瞑った。


「ごめんね」


 ぽっと四元豚となっていた犬沢の頬にほっとしたものが届いた。


「ふぐおおおおお」

 可愛くもない叫び声と共に、四元豚ちゃんはその姿を変えた。


「お、俺……」

 犬沢は己の手を見つめる。

 人間であった。


「よかったね。人間で嬉しい?」

「いや、その前に、話さなければならない」


「……くすん。よかった。魔法が解けて」

「猫先輩、泣かないでくださいよ。そうだ、ほら。また、エルフ作家になりたいでしょう。俺、応援していますし、俺自身もがんばりますから」


「やだ、もう。色々な意味で、犬君変わった」

「そんな事ないですよ」


 >分岐<


 おいおい、ここで分岐かよと仰る皆様ごめんなさい。

 楽しい楽しい分岐の時間です。


 A 犬沢が文芸部へ行こうと誘う。

   第16話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884220660


 B 猫野がエルフ作家に未練を言い出す。

   第1話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054883919068


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