第16話 リーンゴーン

「そうだ、猫先輩、帰る途中に悪いのですが」

「なあに」


「文芸部へ行きませんか?」

「文芸部へ?」

 犬沢に誘われて、土手道を学校へ戻り始めた。


「俺、書きたいものが見つかりました。その……。猫先輩がエルフ作家になった冒険を書きたいです」

「え……。ネココの話を書いてくれるの?」


「もちろんそうなのですが、できれば、猫先輩の気持ちも描きたいと思いますので、協力してほしいです」

「そ、それなら……」


「まず、タイトルから」

「まず、タイトルから」


「あははは。ハモちゃったね。おかしいね」

「そうですよ。俺、何年振りにこんなに楽しい気分なのだろ」


 あははは。

 わははは。


「せーの!」

「はい、せーの!」



『エルフちゃんはラノベ作家』







終わり

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