千子村正

@kanata_ikuru

第1話

ー応仁の乱


なば氏と畠山氏の家督争いから始まったこの乱は細川勝元と山名宗全の大大名の対立を呼び、やがて全国を二分する大乱となった。


何年にも及ぶこの大乱は、何度も都を焼け野原にし、多くの人が命を落とし、国は疲弊していった。


時の将軍、足利義政は我関せずを決め込み、戦火は治る気配は無い。


事態を重く見た天皇、土御門天皇は文武に優れた若者と当代最高の刀鍛冶に密命を下す。


「いつの世も争いを終わらせるのは一人の英雄である。」


「その英雄が持つに相応しい刀を打って欲しい。」


刀鍛冶は密命を受けると早速、若者のことを丹念に調べあげた。剣術、太刀筋、クセはもちろんのこと、生い立ち、思考の仕方等の至るところまで。


幾重にも重ねて刀を打ち、そして遂に一振りの刀を完成させた。


その刀は天皇に献上され、改めてその英雄となる若者に贈られた。


若者が刀を抜き、検めると刀身に銘が刻まれていた。



ー千子村正ー



と。

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