長雨

星野 驟雨

長雨

I love youは陳腐なものだ。


ただどうしても伝えたい。

そうした時に口をついて飛び出した。


青春の区切りは3年で

愛の蝋燭も3年で

言葉の区切りも3つだけ


I love youは責任か

はたまた誓いか契約か


そんなものではないだろう

きっと知的な好奇心

きっと静かな長雨の音


火を灯すのが春ならば

燃え盛るのが夏だろう

縮んでいくのが秋ならば

静かに消えゆく冬だろう


きっとそれは夏だろう

長雨を聴く夏だろう

二人が一つの下につく

そんな静かな日々だろう


I love youは陳腐なものだ。

鬱屈のごとき長雨だ

だがそれこそが心地よい

「今日の長雨は心地よい」

それに返すあなたと居れば。

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長雨 星野 驟雨 @Tetsu

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