第3話 やっぱり、嫌い
会いたい。
早く、青年に会いたい。
会ったら、
「私が世界を変えてみせる」
と宣言をしよう。
そして、野球も夏も好きだと訂正しよう。
セミの鳴き声が響き渡る。
毎年鬱陶しいセミの鳴き声すら、清々しく感じる。
青年がいる建物前で、私は一息つく。
その一息は世界を変える決意の表れだった。
ーーーーーーーーーーードンッ。
突然、
上から何かが降ってくる影と、左耳に走る鈍い音。
数秒してから、悲鳴だったり、誰かが医者を呼ぶ声が聞こえる。
その中でも目立つのは、セミの耳障りな鳴き声。
やっぱり、夏は嫌い。
夏は嫌い すっぽんもどき @_yuno21
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