第7話 ロフトベッドとジグソー
「じゃ、早速ノコギリで解体を……」
ギュィィィィィィン!
「……」
どう、説明をしたものか。
龍太郎はノコギリで切断しようと、茅にノコギリの場所を教えてもらおうと振り返れば。茅が何らかの刃をもつ工具を片手に起動させている。工具の刃が高速に上下に動く。
ギュィィィィィィン!
「ごめんなさい、何だか良く分からないけど自分が悪かったです」
「いや。なんで謝るんですか」
茅が工具を止める。
「唯の動作確認ですよ。いきなり使って刃が抜けたら危ないですから」
「刃が抜けるって。それ、なんなの?」
「これですか」
茅は照れくさそうに頬をかく。
「ジグソーです」
「はぁ。ジグソー……」
言われてもピンとこない。
「ピンと気てない龍兄さんの為にも説明します。ジグソーは電動鋸の一種で、分類だと糸ノコ盤に含まれます。糸ノコ盤との違いは刃を両端固定ではなく、片端で固定する点。材料を動かすのではなく、本体を動かして切断する点。刃に奥行があって折れにくい点の三つでしょうか。分かりましたか、龍兄さん?」
「な、なんとなくかな」
「……ポイントだけ挙げますね」
茅は紙に糸ノコ盤とジグソーのポイントと違いを挙げる。
本体
○固定式
●片持ち式
刃の固定方法
○両端
●片端
切断方法
○材料を動かす
●本体を動かす
刃の違い
○細くて長く奥行がない
●太めで短く奥行がある
用途
○分厚くない板材の切断や細かい切断向け
●多少分厚い板材の切断や大雑把な切断向け
※なお、刃よって異なる。
……○は糸ノコ盤、●はジグソー。
「ポイントを挙げると、こんな感じです」
「分かりやす」
紙に書き上げた表はとても分かりやす違いが書かれていた。
「ジグソーの切断範囲は糸ノコ盤より短いですが、切断する力は強力です。また、糸ノコ盤と違い切断範囲が広いのも魅力の一つです。電源コード分動けますから」
「へ~、便利だね」
「便利ですけど無論、欠点もあります」
「欠点?」
「それは……話すより実際にやってみましょうか。はい、龍兄さん」
「うぇ!」
脈拍もなくジグソーを渡され変な声を龍太郎は上げてしまう。
渡されたジグソーは思ってたよりも重く。二、三㌔ぐらい。上部には持ち手のグリップとトリガー。本体の下から外向きに刃が取り付けてある。
そのまま木製パーツの前に立たされる。
「ジグソーで切断するときは、まず底面を材料に平面となるようしっかりと当てます」
ジグソーの底面を材料に当てる。
「刃を材料に当てないよう少し間を空けます」
ジグソーの刃を材料から少し放す。
「グリップのトリガーを押してゆっくりと進めます」
グリップのトリガーを押してゆっくりと……
ギュィィィィィィン!
ガタガタガタガタ!
「うおっ!」
「いい忘れてましたが、刃は上下運動するので上から押さえつけないと、かなり揺れます。これがジグソーの欠点と言えますね」
「先に言ってくれない!?」
暴れ馬のように揺れるジグソーを上から押さえつけ、ゆっくりと進める。
ギュィィィィィィン!
「おお! 気持ちいいぐらいに切れる」
ジグソーの刃を進めると、木がどんどんと切断されていくのが分かる。あっという間に材料は切断され二つになる。
「ノコギリで切るより全然楽だ。茅ちゃ「長いです」……ん?」
「三十㌢長いです」
「えっ、三十㌢?」
「パーツの長さはそれぞれ約百八十程の長さあります。それを今、半分に切断したので、九十㌢程の長さです。ですが」
茅は材料を測ったメジャーをさっと片付け。
「燃えるゴミとして捨てるには一辺の長さは七十㌢以下でないといけません」
「あっ」
すっかり忘れてた顔をする龍太郎を尻目に。
「更に半分に切ってください。残りの材料は三分の一の長さで切断してください」
「はは……了解です」
茅に言われ龍太郎は、ジグソーを使ってせっせと材料を切断していった。
会社を辞めてDIY始めました ガルGC @gauln
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