哀しい島と、それを取り巻く人々の群像劇。

戦の絶えない二つの種族が対立した、とても閉鎖された島と。
そこで暮らしてきた人々。そして外の世界の人々。

最初は島から逃げ出した二人と、外の世界の人たちとの関わりや事件を通して語られる物語ですが、この作品の真価はその後に輝きます。

多くの人々の過去や想い。
そういった連なりがいくつもの視点で描かれ、そのどれもが軽率に扱えないドラマと心の詰まった物語として展開されていきます。

単純なハッピーエンドや、お涙頂戴のお話とは違う。真摯に向き合ったリアルを内包しているエピソードは心に響き、彼らや彼女らのその後や人生を応援したくなってしまうでしょう。

まだまだ連載中ですので、これから先どういった繋がりと関りが生まれていくのか。誰の過去が描かれていくのか。楽しみな作品です!