どんなゲームでも物語でも、異世界に行ったら好きな職業を選べるものだと思っていました。
私は異世界ものに疎いけど、そういうイメージがあります。
ところが!
この物語では職業を選べません。
そして主人公に与えられたお仕事は、キャバクラの店長……!
せっかく異世界に行くのに冒険も出来ないなんて。
彼はそれでも異世界に行きたいので、嫌々仕事に向かいます。
そして残念ながら、とても向いているのです。
もちろん努力もあるのでしょうが、彼の手腕は素晴らしい。
そしてお仕事描写が素晴らしい!
作者さま、もしや本職? って思っちゃうくらい臨場感に満ちています。
異世界ものとしても、お仕事ものとしても、楽しめる作品です。
ちょっと異世界のキャバクラを覗いてみませんか?
ここカクヨム王国で最大派閥と思われる「異世界」モノ。
でもそんな「異世界」モノが苦手な方もいらっしゃるはず。
かく言うワタシがそうです。
でも本作は読みやすい!
臨場感あふるる文章でスクロールする指がとまりません。
えええ?
おおっと!
どぉすんのよ?
画面に向かってそんなツッコミを入れながらの楽しい「日帰りファンタジー」
まさかの日帰りの冒険の理由。
そしてエピローグでのまさかの日帰りの冒険の行先。
さっくり読めて、それでいてきっちり作り込まれている世界観。
そして臨場感あふるるお仕事シーン。
あ、行ったことがない人にとってはキャバクラ自体も「異世界」かも(^_-)-☆
明るく楽しい異世界キャバクラ物語。
そんな「異世界」に「日帰り」で出かけてみませんか?
「日帰りファンタジー」として書き下ろされた本作。
内容は異世界お仕事小説となっています。そして職種は水商売。いわゆるキャバクラ。
異世界で経営されるキャバクラは、店の女の子がみんなモンスター。そして主人公の青年は彼女たちをまとめる店長(人間)。そりゃ気苦労が絶えないことでしょう。
異世界×キャバクラという設定が新しい本作ではあるが、注目は実はその組み合わせではない。一番の見どころは、作中のキャバクラ描写のリアルさ。いや、リアルさなんて、甘いもんじゃない。これ、ガチです。そんじょそこらのキャバクラ物とは一線を画すガチなキャバクラ描写。とにかくインターコムを使用して秒単位で指示を出す店長たちの描写がすごい。被る指名に秒単位の割り振りをし、つぎつぎ起こるアクシデントに対応し、顧客の動きに合わせてお見送りをする。キャバクラの内幕ってこんな戦場みたいなのか。いや、戦場の方がもう少しのんびりしているんじゃないのか? ま、どっちも実際にいったことはないので、分かりませんが(笑)。
つぎつぎと起こる問題を解決するために、とうとう店長は異世界の深部へと赴き、魔王を倒しに……いかない。いっそ魔王を倒しに行く方が簡単だっかたもしれないのだが、そうはならないところが却って難しい。
キャバクラというと、どうしても、綺麗なお姉ちゃんが色仕掛けでバカな客から金を巻き上げる世界というイメージがあるが、本作で描かれているキャバクラは、客とボーイたちの真剣勝負。如何にもてなすか、いかに心酔させるか。
ドラゴンやエルフであふれた異世界もよろしいが、このキャバクラの裏舞台こそ、まさに目から鱗の異世界であった。
そして、勇者顔負けの大活躍をこなした店長さん。おつかれさまでした。
チートで無双でハーレム。
男子諸君が異世界転移で憧れるこれらを叶えたのが本作の主人公・高嶺遼である。
──ただし、異世界キャバクラ界において、ではあるが。
彼の職業は勇者でも召喚士でもなく、異世界で営業しているキャバクラの経営者。
魔物のキャバ嬢達の勤怠管理をし、開店準備を整えて、営業中はキャバ嬢を上手く回したり、ボトルの売上状況を把握したり、アクシデントやクレームに対応したりと大わらわ。
けれども能力のある彼は、そんなハードな仕事でも女の子達を上手く扱いながら何とか日々こなしています。
ところが、そのキャバクラに魔界の超大物がVIPとして来店することになり、遼はさらなる困難に挑みます。
女の子が足りない!!
ならば魔物狩り(スカウト)だ!
かつては異世界で胸踊る冒険を夢見ていた彼が辿り着く先には何が待っているのか。
キャバクラの裏側と異世界の雰囲気の両方を楽しみつつ、遼の奮闘を応援してあげてください(^^)