後編

気になった私は父親に起きたことを聞いてみた。


父親は以前から畑仕事をよくしていた。


その日は、新しく耕した畑に種を植える為、

朝早くから畑に向かっていた。


種を植えている最中、ふと背後に気配を感じたらしく、

振り返りながら自然とこう言った。


「今日はどうしたの?」


その時父親が見た少女の姿は、私が兄の部屋で見た少女と酷似していたらしい。


何も考えずに放った言葉に違和感は無く、

家族の一人に話しかけるようだったらしい。


私と父親はその少女を見たとき、

怖い気持ちより、悲しい気持ちになってしまった事は覚えている。


住んでいた家は借家で、

5年後の現在は取り壊されている。


私たちが見た少女は座敷童子で、

家が取り壊される運命にあることを察知し、

私たちに知らせる為に現れた霊だったのかもしれません。

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座敷童子 @dj_minimaru

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