座敷童子

@dj_minimaru

前編

この話は、5年ほど前の夏に起こった心霊体験です。


私の家は2階建て一軒家で、私の部屋は二階にあり、

兄の部屋も同じく二階にありました。


二階には、私の部屋と兄の部屋だけがあり、

トイレは一階にしかありませんでした。


いつものように、一階にあるトイレに向かうために二階の踊り場に出て、

階段を降り始めた時、

兄の部屋の扉が半開きになっており、その隙間に"何か"が居ると感じた私は、

目線を階段から兄の部屋に向けました。

すると、おかっぱの髪型で着物を着た幼い少女がそこに居ました。

急いで兄の部屋に向かい、ドアを開けると、少女はすでに居なくなっており、

「きっと見間違いなんだろう」と思い、一階のトイレに向かいました。


その後、一度も少女を見ることが無かった為、自身に起きた事を忘れていました。


数週間後、テレビ番組でホラー特集があり、ふと自分に起こったことを思い出し、父に話すと、ニコニコしていた父親が突然、血相を変えてこう言いました。


「おまえも…見たのか…。」


夏なのに、ひんやりとした空気が流れた様な気がした。

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