最終話 霊感が強い人、弱い人
霊感というものは、あるのかないのかわかりません。
幽霊が見える人と見えない人がいて、見える人は見えない人にそれを証明できません。見えない人も見える人が何を見ているのかわかりません。
私は不可思議なことは起こりうると思っていますが、天国があって地獄があってということまではわかりません。
霊感がある人でも、そこまではわかっていないと思います。
結局、誰もわからないのではないか? と思います。
自分が言っていることを信じてほしいから、盛ってしまうこともあるでしょう。
でも、だからその人たちが言っていることは嘘だというのおかしいと思います。
―― 幽霊なんて存在しない。怪談話は作り話だ。
霊現象なんて、非科学的なことだ。
科学を妄信している人に聞きたいです。
ちゃんと科学を学んでいるのかと。
科学でわかっていることはわりと少ないです。
なんでもできる万能の力と思いたいですが、実際は違います。
天気予報が当たらなかったり、地震予知ができないのがいい例です。
でも、どうして雨が降るのかや、どうして地震が起きるのかは、ある程度わかっています。誰にでも観測できて、それを再現できて、予測を立てた通りにできることが多いからです。
科学で証明できないということは、それが存在していないからではなく、科学ではまだ解明できないというだけです。
幽霊が見える人と見えない人は、目の能力に差があるのかもしれません。
声の質が違うように、見え方にも違いがあるのかもしれません。
何オクターブもの綺麗な声が出る人がいたり、ガラガラ声で音痴な人もいます。視力のいい人や悪い人もいて、幽霊を見ることができる人がいるのかもしれません。
もしかすると、幽霊は可視光の範囲内ではなく、そうではないところにいるのかもしれません。
それを見ることができるのが、霊感が強い人なのかもしれません。
歌うのが得意な人、話すのが得意な人、物を書くのが得意な人、絵を描くのが得意な人がいるのと同じように、霊を見るのが得意な人がいるだけなのかもしれません。
自分が体験して、自分が信じた物を信じるしかないと思います。
自分の体験は、疑いようのないことです。
ただ、解釈は何通りもできます。
自分に都合のいい解釈をして、それで他人を騙すこともできます。
**
私には『霊感が強い』という人が、ホントのことを言っているのかウソを言っているのかわかりません。
確認する方法がないからです。
だから、『憑依体質』と言われても、ホントはよくわかっていません。
そして、小さい頃に頭に聞こえてきた声。
自分の思考とは関係ない声が頭に直接聞こえてきます。
それに従って動いて、火傷を負ったり、すり鉢を壊したりしています。
だから、そういう声に何の疑問もなく従うのは危険だと身に染みています。
でも、その声の主も、私に危害を加えようとしたのではなく、そういうことをするとどうなるのか、わからなかっただけかもしれません。
**
私には霊は見えません。
霊界のこともわかりません。
死後に人がどこに行くのかもわかりません。
魂が本当に存在するのかもわかりません。
私の身に起きたことは、色々な解釈もできるでしょう。
それを教えてくれた、霊感が強いと言っている人たちに騙されているのかもしれません。
私の体験談ですが、皆に騙されて書いているのかもしれません。
あなたも、この話を読んで、騙されているのかもしれません。
あなたは本当にそこにいるのですか?
そこにいるあなたは、本当のあなたですか?
それを考えて、自分の体験を加えて、あなたなりの答えを見つけてください。
答え合わせをどうすればいいのか、私にはわかりません。
でも、そういう問題があっても、いいのではありませんか?
私はそれを面白いと思うので、これからも答えを探し続けると思います。
そうすれば
いつの日にか 大切な物を 見つけられるの かも知れません。
『憑依体質』と言われましたが霊感はゼロなので何が起きているのかわからない話 玄栖佳純 @casumi_cross
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