異世界改正理論主義者
あかるりあ
第1話 世界改正理論立案
俺はごくごく一般的な家庭で育った。この世界とは別の世界。アニメと最小化技術の国、日本で。俺はそこで20歳と言う短い一生を終えた。
そして出会ったのがこの世界の転生の神を名乗る六枚の羽を生やした女性。
床まで届くであろうふわふわとした長い髪。俺の知っている知識ではこんな色は見たことがない。燃えるように赤く、それでいて、遠くの星を見るかのように白い、そして、座っている椅子の模様がはっきりと見える透明さ。可視領域を超えた色と言えばいいのか、とにかくなんと表現していいのからない色をしていた。
「はじめまして、残念ながらあなたの冒険の書は消えてしまいました」
とりあえずどこを突っ込めばいいんだ? 最近出たばかりのド〇クエネタをぶち込んできたぞ?
「あなたの様な方にはこれが受けると上司に聞かされていたのですが……だめでした? 」
いや、だめじゃないけど……。てか、神様も会社みたいに上下関係あるんだな。
「ごめん……、とりあえず俺どうなったの? 」
分かってる。工事現場で上からH鋼が頭の上に落ちてきたんだ。ヘルメットもしてなかったんだから間違いなく死んでるだろう。
「分かっているとは思いますが……お亡くなりになりました」
やっぱりな。
「それはもう肉片と脳漿が当たり一面に飛び散りきたねぇ花火だなと思いながら見ておりました」
この神様実は日本人でヲタクなんじゃね? これきっとコスプレって奴だぜ?
「コスプレでもヲタクでもありません! れっきとした神様です! 」
こやつ……心を読みおった!
「仕方ない……神様と認めるしかないな……」
それにしてもなんで神様のところに直接? 普通は三途の川を巨乳のサボり魔が運転する船に乗って渡って、ちっちゃい閻魔様に『無罪! 』って言われて天界に行くんじゃ……
「あなたどこの東〇projectの話をされているんですか……」
やっぱこの神様ヲタクだわ。
「そろそろ本題に入りたいのですがいいですか? 」
それもそうだ、神様のところに直接送られるんだ、何かあるのだろう。
「それでは改めまして、私はこの世界の神フェティラと申します、あなたは不慮の事故により亡くなってしまわれたわけですがもう一度あの世界に生れ落ちたいですか? 」
この神様なに言ってんだ? あの世界って……まるで別の世界があるみたいじゃないか。パラレルワールドだっけ? 学校で聞いた気がする。
「あなたがよければ、剣と魔法の世界に生れ落ちたくはありませんか? 」
とんでもねぇ、まってたんだ。なんて言える訳がない。
「そんなところに生まれちまった日にはすぐにでも死んでしまうわ! 平和ボケした日本人なめんな! 」
確かにアニメのような世界はあこがれていた。そんな世界に行きたいと思って体も鍛えた。でも実際、真剣を交えるはおろか喧嘩だって片手で数えるくらいしかしたことがない。しかも全部決着がつく前に仲裁が来てドロー。そんな人間が生死をかけたサバイバルな世界で生き残れるわけがない。しかも魔法なんて未知の力付きでだ。
「安心してください、はいt……」
「それ以上言うな! 著作権にかかわる! 」
こいつは止まることを知らないのか……。
「冗談はここまでにして、あなたにはいろいろと特典を与えます」
こいつはまたアニメみたいな……。
「まず、あなたはこれまで生きた記憶を与えます、次に……」
どんどん話が進んでいくな……。
「10分に7回まで死ぬことを許されます」
はい終わったー。この人生終わったー。どこの黒ウサギですかこの野郎!
「い、いえさすがにこれは冗談ですが、その世界はこの世界で言うところの38時間が一日です。あなたの生活リズムですと33時間は活動できる計算になります」
最高だフェティラー! 体鍛え放題じゃねぇか! これなら魔物にも負けないからだが鍛えられるはずだ!
「では、意思が固まったところで……」
おいまて?
「俺は行くと一言も言ってないが……」
おかしい、話がとんとん拍子で進みすぎている。
「何を言ってらっしゃるのですか? ここに来た時点であなたは選ばれていいたのですよ? この世界の神様と言うことは生物の生死など指一つで左右できてしまうのですよ」
こいつ……最初っからそういうことだったのか!
「図ったな! 俺の死もお前が仕組んだんだな! 」
面白い奴だと思ったがとんだくそ野郎だったとはな!
「いまさら遅いですよ、恨むなら私に目をつけられるような生き方をしたあなたの行いを恨むのですよ」
そういて指を立てた。その瞬間、俺の足元から光の魔方陣が現れ、体を包み込む。
「次に会うときは覚えてろ! その整った面にいいもの食らわしてやらぁ! 」
そこで一度意識は途切れた。
異世界改正理論主義者 あかるりあ @akalria-pendragon
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