仕事
仕事終わりの酒がうまい
いつからだろう
煙草と一緒に飲むのがコーヒーからビールに代わったのは
◇
高校を出て就職になった
本当は進学予定だったが
まあ、就職になったおかげでいいところもある
一つは車
免許もそうだが社会人一年生が乗るには相応しくなさげな大きい車だ
一台で8人乗る
そんなに乗せるほど友人も居なかったのだが
二つは煙草
社会人になったことで責任は全て自分なので親も煙草を吸っても何も言わなくなった
煩わしくなくて楽
だがもちろん悪い点もある
一つは拘束時間
長い、そこは覚悟をしていたが進学するのが当たり前になっていた自分には切替がうまくいかなかった
しかも安月給だし
まあ、新卒社会人だし仕方ない
正社員になれただけマシと考えた方がいいかもしれない
二つは煙草
医療系の仕事に就いたせいで煙草が吸いずらい
なんせ、仕事相手は病院なのだ
しかも未成年
ばれたら一発クビ
仕事内容を確認せずに急いで就職した自分が悪いのだが
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――
―――――――
――
「ふう」
今日も仕事が終わる
今日は何を買って帰ろう...
「おらー帰るぞー」
先輩が言う
「もちろんっすよ」
「「お先に失礼しまーす、おつかれ様でーす」」
『はーい』
「さーて、煙草吸って帰るぞー」
「帰りましょ帰りましょ」
自分の煙草はあの頃と変わっていない
高校生から変わらず...
自分も成長しないまま...
「気をつけて帰れよー」
「そっちも気をつけてー、お疲れ様でした」
いつもどおり、車に乗り込む
(今日は何を買おうかな...)
車に乗るなり酒について考える
仕事終わりはいつも酒を買って帰るのだ
月木までは自宅
土日は友人たちと飲むのである
「明日金曜だし、今日はビールでいっか」
いつものビールだ
いつもの日々
いつもの自分
変わったのは、自分の回りの環境だけ
自分は変わらない...
例え難い日々 鶴翼 @kakuyoku
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