---------

あとがき

 人がたくさん死にました。(十億単位)


 というわけで、この話は『地球人が異世界でしっちゃかめっちゃかやる話むっちゃ好きなんだけど、ガジェットを保ったまま、可能な限りSF方面にブッ飛ばしたらどうなるかな』という、ひょんな思いつきで書かれたものです。異世界転生物語!(異世界ではない)(転生ではない)(物語ではある)

 こうなってしまうとは…………………………いやでも書いてて楽しかったです。どうでしょうか。思ってたのと違ったでしょうか。もし思ってた通りだったら、あなたの運勢は大吉。ラッキー星座はうお座、ラッキーうお座はうお座です。

 もし本当にちょっと科学っぽい異世界ものファンタジーが読みたくてここまで来てしまった人は本当にすまないと言わざるをえません。


 なんといいますか、とにかく前半部から過剰な描写を避けて淡薄に、ものすごいスピードで話を展開させて好きなものをゴッチャに詰め込みました。「いや普通この略されてるところだけで数話使うだろ!?」って定期的に思えるようにしております。なんとこの世界には戦闘シーン全略でふと気づくと倒されてるラスボスがいるらしい

 特に序盤の『あっこれ思ってたのと違うな』からの『また思ってたのと違ってきた』からの『やっぱまだ思ってたのと違うぞ……?』みたいな揺さぶりをかけている時は本当に何だろうこの話と思いながら書いていたんですが(緩衝材的に当初キャラクターエピソードを書いていた部分は話の進行をもっと淡々とさせるために全部削りました)、いい感じに100人中99人が『なんだこれは……(退避)』ってなって残り1人が『なんだこれは……(好き)』ってなれるような際物になっちゃったのではないかと思います。ラノベに寄せるかハードSFに寄せるかで後者寄りを選択したのもあるんですが、でもたしかに言われてみると淡々とさせすぎたかもしれません。やりすぎはよくない。

 でも私はサイエンスフィクション過激派で『人間ドラマとかはいいから謎解きと歴史の続きをはやく読ませろ!!!!!!!!!』ってなるタイプなので、多分そういう人には波長が合うのではないかと思います。人と人との情報は一割ほどチラ見せしとけばあとの九割はなんとなく想像がつくものです。そんな甘えが国語のテストを産んだ


 この複雑さでいきなり文章密度がヤババだと脳がヤババババになって理解を拒みはじめるので、終盤にいくにつれて慣らすように描写密度を上げていったんですけど、なんていうかその、途中の言語体系について延々論じてるあたりでもう98%の読者が脱落するんじゃないかなとおもうので、ここまで辿り着けている時点であなたは残る2%の逸材です。おめでとうございます。友達になってください。

 本当は古典の"""良さみ"""を現代に馴染みやすい感じで長ったらしくならずに手軽にアトモスフィア・チャージ・インできるようにしたかったんですけど、こういうのは自分ではよくわからなくなってくるものです。雰囲気雰囲気。


 タイトルの『俺達』とはグライフェルト教授を含む転移被害者や、自発的転移者のシオン達全員を表していて、『人生こうなるとは……なかなか思ってた通りにはいかないもんだ……』という共通の思いのことなのでした。

 作品通してのテーマは『人は誰にも縛られない、自ら縛られてやることしかできない』で、運命の無限ループに自ら縛られてしまった人達と、運命にすら縛られようとせず自由に生きた人達の対比とかそんなんです。今思いついた適当を言っているかもしれません。

 「まあでも全員死ぬんですけどね」「ミギャア~~~~ッ」ザバーッ。

 グッバイ緑の地球。


 SF的な描写などについては細かいところで様々に元ネタがあるんですけど、『わかってくれたら嬉しいな』の気持ちでここはウニのように黙ります。使い古された要素ばかりではあるんですけどね!



 このあとがき文は気が向いたら追記するかもしれません。そうじゃないかもしれません。誰も……誰も僕を縛ることはできないッッ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺達の異世界転生物語がどうにも思ってたのと違う件について(原題『盈虚の円環、あるいは朔望の終焉』) @m_kurogami

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ