Violet Moon...†

あむ

Pumpkin song







その扉を開けてしまうと

世界は変わってしまう。




ーーーーーーーーーーーーーopen the DOOR






コツコツ、

コツコツ、

靴の音が広い廊下に響き渡る。

いつもの家なのに

違う家に居るみたいで、なんだか少し

寒くて、怖くて、震える。

季節は10月下旬

寒いのは季節敵な問題なのだろうか。


コツコツ、

コツコツ、


何処に向かっているのかもわからない。

ただ、ただ、引き寄せられるように

前へ、前へと足が進む。

進みたいわけじゃない。

でも、この廊下の先へ進まなければいけない

そんな気がするなのだ。



『もうすぐ、お見えになられる...♪*゚』



!?


声がした。

薄気味悪い声。

ママでもない、パパでもない声。

家には今は誰も居ないはず。

気のせいなのだろうか

でも確かに、この廊下の先から声が聞こえたんだ。



『さぁさぁおいで、プリンセス...♪*゚』



また声がした


「 この扉の奥から声がする」


私を呼んでいるの?


扉に手を添えた

重くて冷たい鉄の扉



ーーーーけして開けてはならないよ



そう、言われていた扉。


『na na na na♪

早くおいで Baby Princess...♪*゚』


あぁ、やっぱり

この扉の向こうから薄気味悪い歌声が聞こえてくる。


私は思いっきり扉を押した。

ギィィィィ...。

鉄の錆びた音がした。


扉の向こうは何も見えない

ただ、吸い込まれるように扉の向こうに入ってしまった。




バダンッ



重たく扉が閉まる音が聞こえたようなきがした。







ーーーーーここは?


眩しい光に目が眩んだと思いきや

景色は一変として変わっていた。

全く知らない場所

いや、世界すら変わっているのかもしれない。

不思議とそう思った。

けど、懐かしくも思った。


石畳の作りの大きな広場

虹色に光輝く噴水。

見たこともない薄ピンク色の空に浮かぶ星。

そして紫色の月が輝く。


今は昼なの?夜なの?

それすらもわからない。


確実に私の知っている世界とは違う。

なのに


「 涙が、、、」


自然と溢れてくる。


この甘い匂いのする空気

昔、昔に嗅いだことがあるような気がするのは何故?




『na na na na♪ na na na na♪

もうすぐ始まるscary night...♪*゚』



この声!?


虹色に輝く噴水の周りを

カボチャ。カボチャが行進している。


手足の生えたカボチャ

星や三角の形にくり抜かれた目の奥は

黄色く光っている。



6個のカボチャが1列にゆらりゆらりと行進。


なんとも奇妙な光景なんだろうか。


『ホンモノが帰ってきた...♪*゚』


カボチャはそういい私を見た。



ホンモノ。

それは私のことわ指しているのだろうか。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Violet Moon...† あむ @amscream

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ