第3話

返事は帰ってこない。それも、もう慣れてしまった。

でも、それと同時に寂しさにも似たこの喪失感を私は抱きつつある。

それも、無理はないだろう。なぜなら、昔は形だけでも私を愛してくれてたから。

小学生のくせにこんな事を考えるのは正直自分でも変だとは思う。

その反面、小学生なのだから母に愛されたいと思のはしょうがないと思うようにもなってきた。矛盾だらけの自分の考えや想いにも段々と苛立ちを覚える。

こんな想いやめてしまいたい、終わりにしたい。そんなことを考えているうちに気づくと私はベランダに立っていた。

私は何がしたいんだろう。

そんな疑問や感情が頭の中で交差している中一つの疑問だけが頭の隅に残っていた。その疑問は「私が存在している意味」だ。

きっと今の私には応えられない。そう思い排気ガスの匂いの混じった涼しい風に

髪を揺られながら考えることを放棄していた。

どれぐらいそうしていたのか時間が数時間ほど経っていた。それに気づくのはそう遅いことではなかった。

なぜなら夕焼け色がこっちを見ていたから。

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名無しの少女 雨音 @AMR

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