第6話
部屋にけんたを放って、電気もつけないままベッドに転がせると勢いよくけんたのツナギのチャックを下ろして、その服を剥いだ。
どっかに痕でもついてんじゃねえかと思って。
「うにゃにゃっ!?」
「風呂で、まさかヘンな事してないでしょうね」
「へんな、・・・こと」
身動きできないまま、けんたはきょとんと首をかしげた。
つうか、
乳首、色うっす!!!!
俺は苛立ちと単なる欲望とで、それをなんの抵抗もなくぱくっと口に含んだ。
自分でもわりとビックリなんだけど。なんの躊躇もなく自然な流れだった。
けんたはびくりと身体を震わせた。
「ンッみゃあんッ!に、ちゃ」
「こうゆうこと。あいつにされただろ?あ?」
「??にいちゃ怒ってるの。なんでにゃ」
ほんとにわけわかんないのか
それとも演技だったらほんとにころっと騙されんだけど
そんぐらい、けんたは怯えたようにしょぼくれて、尻尾を股のあいだに挟んで震えた。
それどころか
今にも泣きそうになってる。
「おれ…帰ってきたにゃ?にいちゃ帰ってきなさいって言ったから。おれ、にいちゃに会いたかったから帰ってきたの、それだけにゃ」
怯えて怖いくせに、けんたはくみしかれて、俺を見上げたまま、俺の手にきゅっと触れた
もう涙が溢れそうで
ああ、もう
俺もわけわかんなくなってけんたの震える唇に自分の唇を近づけた。
それが触れる直前けんたが言った。
「怒ったら、やにゃ」
「…うるせえ、黙れ」
いつもより乱暴に掻き回して、
どっかに、あいつの残り香がないか探った。
ほんと自分でも意味わかんねえ行動。
それでも、けんたは少し蕩けた顔で俺を見た。
「ン、……や」
「なんでタクマと風呂入んだよ。こうゆうのされただろ素直に吐け」
けんたの瞳から涙がこぼれた。
全部の意味はわからなくとも、何か疑いをかけられていることだけはわかったのか、
いつもよりどこか強い口調で泣いて喚いた。
「しない。おれ・・・いっしにいちゃしかチュウしにゃいよ」
「…ッ!」
それだけ聞いて何かの糸が切れた俺は
そのどピンク色の乳首に強く噛みついた。
嘘つくなって気持ちももちろん多少あったからだけど
正直、
可愛い事言いすぎだろこんちきしょーーーー
そっちの方が強かった
「うにゃああんッ、やにゃあ…痛いのヤにゃ、にいちゃ」
まて、まてまてまて
……おれぁほかの奴のセーエキかかったおもちゃなんか使いたくねえだけだ
それだけ
違うな
違う
ああ、もういいだろ俺
それだけじゃねえってほんとはわかってる
ばかか俺
「・・・わりぃ」
「にいちゃ?」
「あああああっもう!!!『しっと』!嫉妬ってわかるか?嫉妬してんだよ!言わせんな恥かしいぜ!!!わかんなくてもムリヤリわかっとけボケ」
「わ、わかったにゃ」
けんたはびっくりして止まった涙をまだ瞳に蓄えたまま、またきょとんとしてただただ頷いた
つうか、ぜってーわかってない
あまりに可愛くて俺はたまらず軽く唇を合わせるだけのキスをした
それから、二三度重ねて
腰にクるぐらい、ゆっくり深くけんたの口内を犯した。
けんたの息が、表情が、とろんとなった。
もういい、あいつにどんな事されてたって
俺がもっと、こいつのデータ上書きするぐらい良くしてやる
「痛いのヤなんだろ。子猫だもんな。優しくしてやるから隠すな」
「・・・にいちゃおっぱい噛むも」
「かまねえ、もう痛いのオワリ」
とろんとなってるくせに、胸もとをしっかり腕クロスで防御してたけんたは
怒気の消えた俺の声を聞くと少し肩の力を抜いた。
その首もとをコシコシこすってやると、けんたは目を瞑り、少し戸惑いながらも気持ち良さそうに脱力して、腕からも力を抜いた。
「ン、ふ…ひゃう…」
優しくなめる度、けんたは敏感にピクピク反応する。
あまりに初な反応に、これが演技ならほんとにころっと・・・いか、どうぶん。
「みゃう、…にいちゃ、なんでそこペロペロ…する、の?ン、へん、なる…やにゃぁ…怖…い」
けんたはそう恥ずかしげに目を伏せると、
足を何度かもじもじと動かし始めた
つうか、やっぱ勃つんだよな…
これ以上、弄って、良くしてやったら・・・一体どうなるんだろう
「痛くないだろ。怖くねえから、もっと…聴かせろ」
「ン、……ぐるみゃううん」
その気持ち良さそうな声に、俺がけんたの下着に手をかけたその時
部屋の扉から音が聞こえた
───ガチャッ!!
「なあなあ、一新く~ん!!運動したら腹減ったからみんなで深夜のラーメン食いにいかn……」
・・・ ・・・ ・・・
「ッッきゃーーーーーーー!!!」(松田)
「ふにゃあああーーーーーーっ」(けんた)
「ぎゃああああああああ!!!!」(一新)
ー暗転ー
その後
深夜のラーメン店にて
カウンター席に、マサムネ、松田、俺、けんたの並びで座りラーメンを頬張る
なんかもうやけくそ気味に
「やー、ほんとにごめんよ。・・・っていうか。ごちそうさまっていうか。あのーもうさ、部屋鍵つけとこうか?いや!だってね、俺の言い分も聞いて!一新はけんたにゃんの事あんだけ邪険に扱ってるし、そうゆうことはいくら極悪非道な一新でもないだろうっておもってたんだってば。一新がケモショタもイケるとは思うわけないじゃない。だから」
「うるせえよっ!!!黙って麺すすってろこの変態タイミング糞悪野郎」
人のまばらな深夜のラーメン店に俺の泣き声みたいな怒声が響いた。
隣で大袈裟にふーふーしてラーメン食ってたけんたが、どうやら少し困った顔をして俺の服の裾を引っ張った。
「にいちゃこれ食べられないにゃ」
「ああ?メンマか。旨いのに。ガキめ」
俺がけんたのメンマを美味しくいただいていると、
俺の器にキラキラしたけんたの視線を感じた。あ、チャーシューか・・・
自分のは真っ先に食ってたもんな
俺はけんたのミニラーメンに自分のチャーシューのっけってやりながら、松田を睨んだ。
「つうか朝夜関係なく豪快にヤりすぎなんだよお前らはよ!俺はともかく子供(けんた)いるんだから声のボリューム気いつかえ」
松田はそれを聞くと、両手の平を頬にあててふるふる身を震わせて言った。
「えッ聞こえてた?ヤダーん!!だって俺の物とテクニックがそうさせちゃうんだもん☆ねーマサムネ?」
「は?マジでうざいしキモイんですけど」
「ああああん♡ツンの刺激たまりませぬぅ!マサムネかわいいいい。至高至高!!!!」
うわああ…こっっええええええ……
当のマサムネは隣でhshsしている飼い主をよそに黙々とラーメンを口に運んでる。
つうか、本当にこれあの喘ぎ声の主かよ
まあ確かにこれだけはじかれてあれだけ甘く鳴けたら商品としては満点だよな
けど
「にいちゃ、おなかいっぱいんなっちゃった。食べられにゃい」
なんで俺こいつが、
こんなできそこないが、より愛おしく見えるんだろう
「はあ!?・・・ったく綺麗にチャーシューだけ食いやがって・・・ほら口ぬぐえバカが」
そう言って、おしぼりでぐいぐい乱暴にけんたの口まわりをふいてやる。
それから、けんたの器を取り残った麺をすすろうとすんのを、松田がちょっと引いた様子で見てんのに気づいてそこでようやく俺もハッとした。
さすがに・・・俺も、ヤバい域、入っちゃってる?
「ええええ、なんか感慨深いわあ…あの一新が…人の…しかも子供の残したものを食べるだなんて」
「変なとこで感慨感じんな。ただ、もったいねーだけだ!」
「ほんとに、恋って人を変えるんだね」
「恋とか言うな!!」
「うにゃ?」
いやほんと
自分でもびっくりするぐらい俺は変わった
けんたと別れる日がまだ遠いいつかであっても、
それでも着実に近づいている事をどこか忘れようとしはじめていた
【残り 149日】
僕と、ねこのアンドロイド。 黒須カナエ @kurosukurosu
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