第2話 別れ②

 気づいたら朝だった。帰ってきてからどんな会話をしてどういった状況でベッドに入ったかは覚えていない。目に飛び込んでくる風景は、いつもと何一つ変わらない『日常』だった。


「葵、おはよう。」

「……おはよう。」

「朝ご飯できてるわよ。」

「…ん。」


 バタバタと忙しそうなお母さんは、いつもと変わらない表情といつもと変わらない言葉で私に接してきた。

 朝ご飯は、美味しかった。


「行ってらっしゃい。気をつけてね。」

「……うん。」


 ローファーで床を鳴らし、朝日の照らす世界へ飛び出した昨日の朝7:42。

 ───もっと、愛想よくしとけばよかったかな。


 終わったことを気にしてしまう、いつもと変わらない私。


 また、いつもと変わらない『日常』が始まった。

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ハルト。 ありくはな @aa_917

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