誰にでも、怪談のタネはあるでしょう?
- ★★★ Excellent!!!
誰にでも、妙に腑に落ちない体験の一つや二つ、あるのではないか。
たとえばそれは、二階の窓に映ったかに見えた人影であり、寝床で感じた締め忘れの襖の隙間から覗き込む誰かの視線であるかもしれない。
あれは何だったのだろう? と思い返して、背筋がふいに粟立ってしまう。
そういった怪談の妙がこの物語にはあると、僕は感じた。
風呂上がりにうっかり読んで、せっかく温まった身体が冷えましたからね――。