女神になるよ!天空人久美の約束 (神様なんていないよな 外伝)

非魔神

第1話 女神になるよ!天空人久美の約束 (神様なんていないよな 外伝)

なんであたしこんなところにいるんだろう……

この子……私よりいくつも下よね?

120歳って……ラ.ムー?ムー大陸?レムリアって……

一対何の事?

これから私どうなっちゃうの?

助けてよ、……兄さん、……兄さん‼






私の名前は斉藤久美

自動車販売会社に勤める26才OLのはずなんだけど……ちょっと怪しくなってきた……

何故だか理由は解らないんだけど、子供になってるのよね……

理由は聞いたんだけどさっぱり解らないんだけど?


目の前にいる私より小さいこの子の名前はナーナと言うみたい……


「落ち着きましたか?久美」


「落ち着かないわよ!一対ここ何処なのよ?」



「ここはシオン近郊の森でアクツの森ですよ」


「森の名前を聞いてるんじゃないの、ここが日本なのか外国なのかを聞いているの!いきなりお日さまが出たんだから日本じゃない事くらいは解るわよ!アメリカとかなら朝でもおかしくないし……」


「それは先程も説明したと思うんですけど……困ってしまいました……」


「困ってるのは私のほうよ!いきなり変な溝に落ちたと思ったらこんなところに」


「でも……でも……ナーナは久美が迷わないように……グスン……グスン……」



「アァァァ解った、解ったから泣かないで!『泣きたいのはこっちの方なのに』とにかくごめんなさい、もう一回説明してくれる?電話辺りのとこから」






とりあえず今の私が置かれている状況を簡単に説明するわ、私は今日も馬鹿な兄さんのセクハラを撃退して家に帰ったの。

兄さんて言っても血は繋がってないのよね……

簡単に言うと幼馴染み、死んだ私の兄の親友で私が物心ついた頃から兄として慕っていた人。

私が勤めている会社はその人が管理者をやっている一つの営業所。

セクハラ魔神と言われている兄さんは女子社員を見ると誰彼構わずセクハラし放題、また何故か解らないんだけど兄さんのセクハラを他の子達が然程嫌がらないから始末が悪いのよね……

最近の私の役割は通常業務の他に、兄さんがするセクハラの監視役、たく・・管理職が部下に監視されてるんだから本当しょうがないわよ


嫉妬⁉馬鹿な事言わないでよね?…………

正直な所、嫉妬かも?小さい頃から……私が小学校の頃からずっと好きだった……

無茶ばかりして、いつも私を心配させて、本当の兄の浩二兄さんが事故で亡くなってからは、私の事ばかり心配して、何かあると自分より私を優先する……

親にでも成ったつもりなの?

そうなのよね、浩二兄さんの墓前で泣きながら約束してた……(久美を俺が責任持って嫁に出すって)

馬鹿じゃ無いの?私そんな事頼んでないよ!私が欲しいのは……



そんなんで……今日も馬鹿な兄さんのせいで最悪の1日 、、


「疲れた…………馬鹿……死んじまえ!馬鹿兄……」



『久美……久美……聞こえますか?久美』


『誰?女の子?貴女誰?』


『私はナーナ、久美、今から電話をしますね?多分夢でお話ししても久美は信じないと思いますから……出て下さいね?』


『う……うん……え?電話……出なきゃ……』

目が覚めた、今の何?夢?



「電話!母さんいないの?」


「ごめ~ん、母さん今手が話せないのー!」


「こっちで出ちゃうよー!」



「家電何て母さんにしかかかってこないじゃん」


私は自分の部屋の子機で出た


「もしもし、斉藤ですけど」


『久美ですか?先程の夢の中でお話ししたナーナです、何か念話みたいで面白いですね♪』


「夢の中で?ちょっと何なんですか?イタ電してるなら切るわよ?」


小さい女の子の声だ、確かに夢の中にいた女の子の声……お化け?ちょっと……嘘でしょ?


『あぁ切らないで下さい!これから久美に伝えなきゃいけない事が有るんです、電話が嫌ならそちらに行きますから』


「何なの?伝えなきゃって……とりあえず言ってみなさいよ……」


『これから貴女は転移に巻き込まれるんです、私は巻き込まれた久美が戸惑わない様に、事前にそれを伝えに来たんです、でも過去貴女の様に巻き込まれた人はいくら事前に教えても全く耳を貸さず、変な所に転移しちゃったり、いきなり魔物の前に転移して、即死したりと伝承に残ってたので、今回電話と言う媒体を使ってみました!』


「即死って……まだ信じた訳じゃないけど……転移しなくてすむ方法は有るの?」


『残念ですが有りません、転移がどの様にして起こるか私達にも解ってないんです』



「いいわ!こっちにこれる?家の裏庭に来てちょうだい」


私はナーナと言う少女に会ってみた、正直子供のイタズラとしか思っていなかったのよね・・

所が本当だった、私は本当に転移に巻き込まれ、ナーナが示す方角に何とか飛ばされる自分を修正して来た所が・・ここラ.ムーだった。




「久美?聞いてますか?」


「ああごめんなさい、それで?ここがラ.ムーと言う国だと言うのは解ったわ!」



「ラ.ムーはムー大陸の中で一番大きな国家です、他にも大小様々な国がムー大陸に有りますが、その他の国は今どの位有るのか解っておりません。

ムー大陸は現在戦乱の渦中に有り、ラ.ムーも内戦状態に有るんです」



「なんかとんでもない所に私飛ばされたのね……」


「久美にはとても言いづらい事何ですが……久美はこの戦乱のラ.ムーに安定をもたらす為に転移したんだと思うんです」



「どういう事?誰が私を転移したの?」


「えとですね、先程も言いましたが転移については私は解らないんです、過去の伝承にも転移の仕組みについては何も書かれてないんです、ただ私には夢見と言う力が有って、未来予知をする事が出来るんです。その中で私は久美と共に反乱軍と戦う夢を何度も見たんです……だから……」


「正直な所まだ信じられないんだけど、自分のこの若返り……と言うか……幼児退行現象を見ると……ハアー……信じないとしょうがないわよね……」


「とりあえずここを放れましょう、この森に住む魔物は少ないですが、それでもたまに現れる事が有るんです。そこに迎えに来ている馬車にお乗り下さい!」


そう、何故か私10才くらいの見た目になってるのよね……ナーナのはなしではこの世界には魔法が有って、その魔法はマナと言う物質に働きかける事で使える。そのマナがこの世界の至るところ、つまり大気中にも存在し、そのマナが私達の身体を様々な状況に応じて作り替える。

言葉も同じで、本来私の言葉とこの世界の言葉は違うんだけど、マナの働きにより会話する事が出来る。

何かアニメの世界に迷いこんだようだわ……


私はナーナと共にシオンと言うこの国の首都に行く事になった、シオンの街は昔の江戸~明治時代の様な街並みみたい、ここもしかして過去の日本なんじゃないかしら?

それにしてもこの街、いくつ門が有るのよ……


「この門を抜ければ私達が住む天楼閣ですよ!」


「え?有れ何よ‼何でここにピラミッドが有るの?」


「あれはピラミッドという物ではありませんよ!あれは黄金の祭壇と呼ばれる物で、私達皇族に伝わる三種神器と天の浮舟がある宝物庫、そして神降しを帝が行う為の儀式を行う場でもあるんです」


「今なんて言ったの?三種神器?帝?それちょっと詳しく教えてくれる?」


兄さんが言ってた……日本と言う国は神武天皇が起こしたとされるが、別の古文書ではもっと前に建国されている、しかも然したる理由もなくその古文書は偽せ書とされている。

でもその古文書は一冊や二冊じゃない、私が覚えてるだけでも竹内文書、九鬼文書、カタカムナ文献等、他にもまだ神武天皇以前の天皇が居たことを示す古文書がある、それら全てが日本書紀や古事記と内容が違うと言うただ一点だけで、偽書とされている、これは異常だ!

そう兄さんは言ってた……もしかしてここって神武天皇以前の帝がいる日本なんじゃない?

そんな気がしていた。


「久美!紹介しますね、私の双子のお姉さま、ナンナお姉さまです」


「ナンナです、お待ちしておりましたよ?久美、ようこそシオンへ、ナーナは何十年も前からお姉さまがもう一人出来ると楽しみに貴女を待って居ました、本当に無事お越しいただけて何よりです」


「久美よ!でも本当に瓜二つ、髪型同じにされたら絶体解らないわね」


「こっちに来てください、お母さまにも紹介しますね♪」


「はしゃぎすぎですよ!ナーナ、不安な久美の気持ちを少しは考えて差し上げなさい!」


「は!…………ごめんなさい久美…………私嬉しくて……つい……グスン……グスン……」



「アァァァ良いのよナンナ、これくらいナーナが元気な方が気が紛れて良いくらいよ」


実際そうだった、さっきナーナが言ってた事……私が帰れるのは多分300年後……私達異世界人かタイムトラベラーかは解らないけど、過去の私の様な者が自分の世界に帰ったと言う記録が残ってるのがその300年……その方法や、名前等も一切が謎の人物らしい。

天空人、この世界の人々は私の様なイレギュラーな者をそう呼ぶ、過去何度も天空人は来たことがあるみたいだけど、正直ろくな奴が来なかったみたいね……思い出しちゃうじゃない……馬鹿兄を


「ねえナーナ、パンストってこのベージュしか無いの?この服で今の季節なら普通黒何だけど?」


「勿論他の色も有りますが、帝に拝謁するので正装何です、正装はベージュと決まってるんですよ」


「誰がパンストの正装何て決めたのよ!」



「過去何万年も前の右大臣様らしいですよ?その右大臣様も初めはパンストまで決めていなかったらしいのですけど、急に何かに取りつかれた様に女性衣服改革をやりはじめたのだそうです。その改革の時に決められたそうですね!

どなたかに酷く脅かされて改革をはじめたのでは?と言う陰謀論者も居ますが、それは流石にデマでしょう」


「そう言う場合陰謀論が会ってたりもするんだけど……」



「こちらです、急にごめんなさい、お母さまがどうせなら帝に拝謁して食事会にしようなんて言い出すから」


「帝に拝謁出来るなんてある意味私の方が光栄よ!」


「そうなんですか?まあどうぞ」


「帝、この度は……」


「ソナタ達は前置きは要らんと何度も言うてあるじゃろ、してその者か?天空人殿は」


「はい!久美です前々からお話ししてた今日やっと会えたんです」


「天空人殿、面を上げられるがよい、妾は堅苦しいのは好かぬ、今日は桜の家の者だけじゃからの」


「はい、はじめまして、斉藤久美と……」


これが帝!プレッシャー……直感で感じる……この人……凄い……声が出ない……


「流石じゃな……その歳で妾の気を感じとるとは、すまなんだ、少々試させてもろうた、許すがよい」


「帝!ナーナがやっと巡り会えた運命の人じゃぞ、脅かす様な事するでない!すまぬの久美、この様な幼き子になんと言う事をするのじゃ……妾は桜と申す、ナーナの母じゃ、久美も遠き故郷に母も居ようが、何の巡り合わせか転移してしもうて……ここでは妾の事を母と思うて甘えるが良いぞ」


この人がナーナ達のお母さん、優しそうでとても綺麗な人……でも……幼き子なんだあたし……


「起こられてしもうた……すまぬの久美、、、」


「いえ帝、突然でしたので……」


「所でナンナの愛しの天空人殿はいつ頃こられそうなのじゃ?」


「愛しのだなんて……帝……まだ先の様です……夢見では私が帝に成っておりますので100年位は先何ではないでしょうか……」


「100年では困るのじゃぞ?妾はいつまで帝を続けねばならんのじゃ?」


「私達の未来とは大分違うんですね?この時代では成人で代替りしてたんだ」


「今何と申した?久美、未来?この時代?どういう事じゃ?」


「え?ああ、私達の時代では公務が出来なくなるまでは帝で有り続けるんですよ!」



「いや、御主さらりととんでもない発言をするでない、今の言い方ではお主が我らの国の未来からきた様な言い方ではないか?」


「え?違うんですか?」


「聞いておるのは妾じゃ!」



「え?あは……あははは……とっくに知ってたとおもってた・・・」


私は皆に恐らくはこのラ.ムーは過去の日本であろう事、国家元首が天皇であることなどを話した。

そして私は……何故かナーナと共に学校に行く事になってしまった。


私は昨晩部屋で一晩中泣いた、帰れない、兄さんにも、お母さんにももう会えない。

そして決めた、帰る方法を探す、帰れた人が居るんだから、方法はある。

何かやり方が有ってそれを行うのに300年も掛かったのならその方法も探す!そう決心した。



「何でナンナは学校に行かないの?」


「お姉さまは帝候補何です、と言うか、他の候補は居ないので、お姉さまは帝になるのが決まっている人ですね、だから学業は全て自宅で行う事が定められているんです」



「それじゃつまらないじゃない、何でそんな決まりが有るの?」



「帝となる者の決まりです、帝は神聖なる者、故に俗世の人々の前に出る時は、相応の仕来たりが有ってそれに従い出る事になります。」


「だからナンナは何処か寂しい感じが在るんだ、可哀相」


「久美も時折で良いのでお話しの相手をしてあげて下さいね?女の子になれるのが夢見の時だけ何て悲しいです」


「夢見の時って?」



「お姉さまの思い人何です、私が久美を待ってた様に、お姉さまはずっとその方を待ち続けているんです」


「昨日帝が言ってた天空人の事だ!」


「男の人何です、お姉さまはその人を好きになっちゃったみたいです」


「へ~ちょっとロマンチックよね!」


「どういう意味の言葉何ですか?そのロマン?」


「甘美的とか空想的とかって意味よ」



帝立士官養成訓練学校

ここは身分制のあるこの国で、従士以上の身分がある家の者しか入校出来ない、私は天空人だから自動的に従士の身分になり、士官すると高司祭の地位が与えられる。

形式的にだけど私はナーナの護衛と言う役割りを与えられてるので士官した事になっている、つまり高司祭、皇族の次に身分が高い。


学校は木造三階建て、お寺の様な造りだけどとても大きな建築物だった。

門を抜けるとあちらこちらから声がかかる。


「ナーナ様おはようございます、今日はお早いんですね」


「ナーナ様おはようございます、お隣の方はどなたですの?」


そんな声があちらこちらから、でも本当に女子ばかり、男女共学とは名ばかりね……出生率が男は女性の百分の一、それでもこのシオンへは各地の貴族が子供を留学させるので、男性の比率は多いと言うけれど……


「久美、先ずは先生方へご挨拶に行きましょう!」


「解ったわ、でもあたし軍事的な事は何も知らないわよ?」


「私達小学部は軍事的な事はやりませんよ!習うのは一般課程です。」



教師達に挨拶を終え、私は教室に向かった。


「いや~お早うナーナ、今日も美しいその姿を見られるなんて、僕はついてる様だね!」



「学校ですから、お休みの日以外は毎日見れると思いますよ?」


何このキザ男?しかもナーナって実は天然?


「そうだね!ナーナの言う通りの様だ!」


と言って……サ!と髪をかき揚げる……殴りたい……

あー…………どんどん兄さんに似てきたわあたし……

直ぐ暴力衝動にかられるなんて……自嘲しなきゃ・・・


「処でナーナ、こちらの一輪の花はどなたなんだい?」


「以前お話した天空人様の久美ですよ!漸くお会いできたんです」



腕を組んで来て喜んでいる……正直ナーナのこの行動や言動に大分助かってる……

気を抜くと直ぐに泣き出してしまいそう……

それにやっぱり殴りたい・・・


「はじめまして、光る様なその美しさに目を釘付けにされてしまった僕の名は、鎚打つちだの宮フォレスト、ナーナやナンナ様と同じ四大皇族さ!」

そう言い右手で髪を軽く払い、キザポーズを決める

あぁぁぁ苛つくこいつ!


でも四大皇族なら何で男のこいつが天皇候補じゃないのかしら?

「この時代は女性天皇と言う決まりが有るの?」


「いえ?そう言う決まりは有りませんよ!過去は男性の帝の方が多かった位です」



「なら何でフォレストが帝候補じゃないの?」



「ああ、フォレストは魔力量がしょっぱいんですよ!代々帝は魔力量の多い者が帝を務めますから、フォレストはお姉さまに対して八割しかない私の更に三割程度しかないんです」


肩を落として暗い陰りを見せながら席に向かうフォレスト


「ん?フォレストはどうしたのでしょうか?」


KY?もしかしてナーナって天然で極度なKYだったの?しかもしょっぱいって、高度な貶し言葉をサラリと使うし……

私が殴る前にナーナが言葉でボコボコにしてるのに、本人が全く気付かないってたちが悪いわね……


それから私は学校へ行って、自宅と成った天楼閣での戦闘訓練、と言った毎日を繰り返す事になった。剣技の才能が私には有るみたいで、私は剣の訓練を多めにこなしていた、何故か私はこの他に槍術等も直ぐに達人の粋まで達してしまった。

アーカーシャとかに天空人は繋り、極端に強くなるって聞いたけど、これってもしかして転移した事で得たチート能力?

そしてとある日、学校での戦闘訓練が実施された。


「本日は皆さんに魔物を相手に戦闘訓練を行って頂きます、魔物自体はとある天空人様が飼育していた本来は大人しいスライムですが、飼主の行動や言動を記憶し、それを真似ると言った皆さんよくご存じの変態スライムです。

男子生徒には容赦なくかかって来ますので注意する様に!女子は股間や胸をしっかり防御する様にしてください」



「ちょ!何よっ、そのど変態なスライムは」


「だから変態スライムと名付けられたんですよ?」


「そのままじゃない!」


「また繁殖力が非情に強いので、中には増える個体もいるかもしれませんので注意する様に!

では訓練内容を説明します。10人一組で5匹の変態スライムを撃破してください、時間は30分以内です。10人編隊中に1名男子生徒が居ます。変態スライムの性質上男子生徒は無視されますので男子は基本的に攻撃に専念してください。ただ男子生徒が攻撃に失敗すると猛然と男子生徒から撃退されますので出来る限りは一撃で!それではナーナ隊から」


今回は授業と言う事で私とナーナは放された、でも私の隊にはフォレストがいるのよね、こいつ大丈夫かしら?


「では変態スライムを解き放ちます、他の生徒は枠外に退出、応援する様に!行きます」


ん?普通のスライム?


『うぉ!えれえ上玉が揃ってるじゃねーか!』


「嘘!喋った⁉」


『たまんねーぜこりゃ!俺のキャノンがビンビンだぜー!』


そしてスライムはジャンプ、人間の様な形になり、空中で平泳ぎをし出す


キャー!

そしてスライムは女子生徒の胸や下半身を触り?

まくっている


『恐がらなくていいんだヨヨヨヨヨん!』


「ちょっとなにやってんのよ男子!早く倒しなさいよ!何なの?あの兄さんみたいなスライム」


そしてついにナーナが襲われる


『うほっ、かわいこちゃんじゃねーか‼』


またスライムはジャンプ平泳ぎをやりだす、何故か男性のシンボル部が膨らんでいるけど……あれスライムでしょ?


「キャー!放れなさい!何処を触っているんですか!」


『いいケツしてんじゃねーかー!ムハムハムハ』


「ナーナが襲われてるわよ!早く倒しなさい!」



その後男子生徒により辛くも時間内に5匹の変態スライムは倒された


「次は齊藤チームです、枠内へ」



「はー・・・・、頑張って下さいね?久美」


ナーナは脱がされかかった服を直してる・・・どこなで変態なのよ


「あんな馬鹿げたスライム切り刻んでやるわよ」


「久美、危ないから僕のそばを放れないようにね!」


「ハイハイ、頼むわね?フォレスト」


「まかせたまえ!」


フッ!と言って髪をかき揚げる……


「では解き放ちます!」


『うぉ!あれは!』


『マジか!こんなとこに』


何故かスライム達は私の方に注目している気がする


『ベージュのパンストじゃねーかーーーーー!』


『ムホーーーー足舐めさせろーーーーーーーー!』



「ちょ!何よ‼ひぃぃぃぃぃ」



スライム達は一斉に私に向かってジャンプ平泳ぎをしてきた


「僕が相手になろう!後悔するがいい」


フォレストが私の前に出てくれた、が……


『ああ?うぜー!』


スライムは正拳突きを繰り出す、と見せ掛けフォレストが顔を防御すると見るや、即座に後ろ回し蹴りに切り替えた


「ポギャ!」


吹っ飛ぶフォレスト、失神したわね……

て、フェイント技まで兄さんそっくりじゃない!何なのよこのスライム!


『邪魔者は消えたヨヨヨヨヨん』


『行くぜー!』


『ベージュのパンストーーーーーーーーーーー!』


「ちょと、この!放せこのばか!何であたしの処ばっかり来るのよー!」


「それはベージュのパンストはいてるからですよ?変態スライムの一番好きな好物ですから」


「もっと早く言いなさいよナーナ!放、れ、な、さ、いこの!」


「昨日先生が説明してましたよ?久美聞いてなかったんですか?」


「寝てた……ああぁぁぁもうこの変態!」


『可愛いねぇレベレベレベレロロロロロん』


舌のような物が出てきて足を舐められてる・・・

そして変態スライムはシンボルを更に膨らませ……

ビシュウ!!

射精?した…………


「ベージュのパンストで精力を蓄えたから分離して増えたのね」


「嘘!マジで⁉」

何なのよそのバカげた生態はーーーーー!


『いい女じゃねーかーーーーー!』


次々と射精して増える変態スライム、分離個体は小さいからまだ助かるけど……

あまりの嫌らしさに私はついに…………キレた!


プツン!


頭の中で何かが弾ける

サンスクリッド語?バジュラ、アグニ……



「いい加減に!!しろーーーーーーーーーーー!」


そして私はそれを口に出す



「バジュラ!、アグニ!」


私の回りに業火が渦巻く、変態スライムは一瞬で燃えた


「ハア、ハア、ハア、ハアったくこのエロスライムが!」


「凄い!久美、フォルムが使える様に成ったんですね‼」


「え?フォルム?ってなあに?」


「天空人様だけが使える魔法です、今みたいに上級魔法を遥かに凌ぐ強力な魔法なんですよ」


「へ~そうなんだ……て待ちなさいよ」


私のスカートの中に避難してた生まれたてのミニ変態スライムが、こそこそ逃げ出そうとしていたので捕まえた


『やべ!旦那~俺なんもしてないっすよ~』


「じゃあ何で逃げるのよ‼」


『マジ勘弁す、今回だけは』


「久美、変態スライムに話かけても情況に応じた言葉と行動をするだけ何で意味は通じませんよ?」


「まあいいか……先生、これ貰って良いですか?」


「構いませんよ、変態スライムは特に害を及ぼす魔物ではありませんし」


「何処が!」


「久美、本当に変態スライムは無害なんですよ!むやみに人は襲わないし、女性が他の魔物に襲われてたりすると、身を呈して守ったりもするんです、まあその代わり必ず代価を要求されるのですが……」


「代価?どんな?」


「身に付けている下着とパンストです……」


「………………どこまで似てるのよ」


私はつまみ上げたミニ変態スライムを顔の前に持ってきた……けど


『姉ちゃん可愛いじゃーん』


と言ってキスしようとしてきたので

ベシ!

地面に叩きつけた

『何しやがる!』


「うるさい!」


『なーんてねー!パンティちゃーん』


「きゃ!こら!この変態!」


スカートの中に飛び込んでくる変態スライム


「だから変態スライムだと言ってるじゃないですか」


私はこのスライムを飼育する事にした、名前をタケルと名付けた、、、

餌は基本的に何でも食べるのだけど、一番成長を促進させるのは……女性の下着、男性用を与えると死ぬらしい…………

また女性の下着を男が履いて与えた研究者がいたが、やはり死んだとの事……


「と言う事で、久美!変態スライムを飼育するなら必ず女性が履いた下着を与えるのですよ?」


「はー……解ったわよ……全く……大体何でこんなみょうちくりんな生き物が居るのよ!」


「何でも過去の天空人様が魔物に襲われる女性の被害が後をたたないので、大人しいスライムを育成し、他の魔物と掛け合わしたりして野に放ったのが変態スライムらしいですよ?」


「よけい迷惑じゃない!」


「でも被害は激減したんですよ!別の被害は増えましたが……」


「どんな天空人よ!全く……」


「ん~久美にならお話してもいいかもしれませんね?帝に相談してみますね」


「え?知ってるの?」


放課後私はタケルを連れ、天楼閣に戻った、エッチな事ばかりするセクハラスライムだけど、不思議ね……嫌な気がしない……ん~ん可愛い、多分……私の愛するあの人と、言動や行動が一緒だから。

ナーナは食事の後で一緒に帝の所へ行こうと言ってきた、見せたい物があるとの事。

部屋で待っているとナーナとナンナが来た


「ナンナも?」


「ええ、本当は部外者は一切立ち入り禁止の場所なのですが、久美にならと言う事で私立ち会いの条件で許可頂きました」


「処で何でタケルは泣いているんですか?」


『めしくれねー、めしくれ、めしくれ』


「餌を与えてないのですか?」


「あげてるわよ人聞き悪い!」


『パンティがいい!パンストがいい!シクシク』


セクハラスライムは泣き真似までしている……

何処まで似てるのよ本当に・・・


「久美、あげれば良いじゃないですか、下着くらい!可愛そうに」


「そんな事言ったてね~、この馬鹿今履いてるやつじゃなきゃ嫌だって言うのよ?」


「変態スライムとはそう言う物です!飼育すると決めたのならそのくらい我満なさい!」


「全く……しかたないわね……」


しょうがないのであげると、スライムから手のような物が生えてきて、下着を受けとる……


クンクン、スーハー、クンクン、スーーー、ハーー

臭いを嗅ぎだした……


バキッ‼


「くだらない事やってないで早く食え!」


『オウチ!痛てーじゃねーか!まあいい……モグモグ……ゴクン…………

復かーーーーつ!ネーチャンイイケツ……』


バキッ‼


もう一度張り倒して私達はタケルを部屋に閉じ込め、帝の所に出向いた。




「変態スライムを造った者のう……あやつはこのラ.ムーでは大罪人じゃぞ?今更調べ直してどうにかなるものでも無かろう」



「大罪人何ですか?どんな罪を」



「街を一つ消し飛ばしたのじゃ、神代の禁断の武器をつこうての」



「帝!恐れながら久美には誠の事を伝えたいのです」



「ふむ……ならば久美よ……今から妾が話す事、他言無用じゃ!出来るか?」



「重大な事何ですね、私は帰るすべを探しています。過去の天空人の事は知りたい、お約束します」



「よいじゃろう、その者の名は……マイ○ルジャクソンと言ってのう」



「マイ○ルジャクソン⁉で、でも……5万年も前の人ですよね?……す……すいません」



「よい……その驚きよう……何か重大な秘密があるのじゃろう」



「はい!」



「でかしたぞナーナ、久美はマイ○ルジャクソンの汚名を晴らす手助けになるやもしれん……あいわかった、久美の立ち入りを許す。じゃが忘れるでないぞ、あの部屋の大結界の事を」



「解っております帝」



私は話の流れが全く見えないまま連れて行かれた


「ナーナ、見せたい物って部屋なの?」


「そうなんです、マイ○ルジャクソン様がこのラ.ムーに滞在されていた時に使用されていた部屋なんですが……恐らくは過去の帝と密会していた部屋でもあります」



「密会?」



「はい、過去の帝はマイ○ルジャクソンと毎夜密会し激しい夜伽を成されていたのではないか?と言われています」



「激しいね……」



「当時の侍女の話では毎夜大きな喘ぎ声が響き渡っていたと言う記録が有りますから」



「重罪人と?」



「そこなんですよ、当時の記録にはおかしな所が沢山有るんです、私達はマイ○ルジャクソンの……

いえ、当時の帝であるルチーナリリアーヌ様の汚名を晴らしたいと考えているんです」



「ナーナの申す通り、ルチーナ様は大罪人であるマイ○ルジャクソンが逃亡した先、レムリアにまで帝であるにも関わらず、国を捨て追いかけて行ったと言われています、それはそうでしょう……毎夜激しい夜伽をする位に愛していらしたのです、ですが本当にそれだけの理由でルチーナ様がマイ○ルジャクソンの後を追ったのか……そこがどうしても納得出来ないんです……先ずは部屋を見てください、ただしこの部屋に居られるのはあの砂時計が落ちきる迄の間だけです」



「そうなの?何で?」



「この部屋にはルチーナ様による、時を止める大規模な結界が張られているんですよ、お姉さまの膨大な魔力を持ってしても破れるのはその間だけです」


「本来は術式を説いてしまえば結界魔法は破る方が遥かに楽なのですが、ルチーナ様のそれは術式をいく重にも張り巡らせ、簡単には解けない様に成っているんですよ、5万年もの時をかけて術式を説く事をしてきたのですが、漸く最近この砂時計の間だけ止める事が出来る様になったのです。恐らくそれほどこの場所を当時のまま残したい理由があったのでしょう」


「思いでの場所を荒らされたくないって事?それとも…………戻るのを待っている……」



「戻るのを?だって5万年ですよ?」



「えとね~、、これは私の突拍子もない感なんだけど……さっき確信しちゃったのよね!この世界と私達の世界の時間軸は激しくずれているの、最初思ったのがパンティストッキング、あれって私達の世界でも出来てから200年も経ってないのよ、そしてマイ○ルジャクソン……ここの彼は本人じゃ無いんだろうけど、マイ〇ルは私達と同じ時を過ごした世界的に有名な歌手の名前なの、だからもしも彼がここで亡くなったのではなく、帰ったのだとしたら……」



「ここに彼が戻るのが解っててこの場所を当時のままに残しておいた……ですね?」



「あくまでも感だけどね、私がルチーナ様の立場なら、そして愛する人がこの場所が好きだったなら、自分と過ごしたこの場所で自分の事を忘れられない様にそうすると思うわ」


「ですが久美、その推測には一つ疑問が浮かびます」



「何処が?ナンナ」



「どうやって彼がここに戻る事を知ったのですか?」



「彼女は帝だったんでしょ?貴女を越える程の魔力を持った」



「お姉さま夢見です‼」



「あっ!」


そしてナンナが結界を解除し、私達は部屋に入る


「臭っさ!何この臭い……オェ……気持ち悪‼」


「原因はあれなんです」


手拭を鼻と口にあてがい指差すナンナ


「うわ!何よあれ!」


そこには山積みにされた女性の使用済み下着があった、体臭とお香の様々な臭いが入り交じって強烈な臭いだった。そしてナーナがとんでもない物を持ち出してきた


「これが何だか久美にはわかります?いろんな大きさがあるんですよ!中には真珠みたいな物が数珠繋ぎになってるのとか、それにここの出っ張り部が右に動くんですよ!そうすると」



(ビィィィィィィィ)


「このように小刻みに震えるんです、何かに使う摩道具だとおもうんですが……久美?」



私は完全に脱力してへ垂れ込んでいた、そして思った。部屋にある、あらゆる小道具、そして下着の保管方法、枕にしっかりと被せてあるパンティ……

そして変態スライムの言動、それらを全て統合して考えると……一つの名前が頭に浮かぶ……兄さん!

マイ○ルジャクソンてもしかして兄さん?でも兄さんが街を一つ消すなんて絶対に無い。


「ナーナ、それは貴女が触っていい物じゃ無いから置いときなさい」


「久美はこれが何だか解るんですね!教えて下さい!」


「その前にここを出た方が良いですね、時間切れになります」



私達は帝の所に戻った


「何か収穫は有ったかのう?」


「その前に一つ聞かせて下さい、みなさんは五色人と言う言葉はご存じですか?」


「聞いた事はないのう?そち達はどうじゃ?」


「私も知りません、五色の人がいるのですか?」


「そんな人居ないわよ!化け物じゃないそれじゃ、そうじゃなくて、肌の色を言ってるのよ、このラ.ムーの人は黄人、私達の世界にはその他白人、黒人、赤人と言った肌の色をしている人が居るのよ!」


「ならばおるぞ、アトランティス人は白人と黒人、レムリアは赤人と言ったとこかのう」


「ならこの世界は四色人ね、私が思うにそのマイ○ルジャクソンは黄人なんじゃない?」


「そうですね、特にアトランティス人やレムリア人だったと言う記録はありません」


「なら解った事が一つ、彼は何時かここに戻る、そしてその人は絶対に街を消すような人じゃ無いわ」


私は帝に推測理由の全てを話した、あくまでも憶測に過ぎないので、この場だけに留めて於いて貰った。そして私は自室にもどり緊張の糸が対に途切れてしまう・・・


「兄さん・・・兄さん・・わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ兄さん会いたいよ~兄さ~ん・・一人はいやだよ、一緒にいてよ~」


タケルが私のそばにきて、私の頭をやさしくなでて来た


「え?タケル・・・あなた・・・」


『大丈夫だ!俺が必ず守る・・だから泣くな!』


「そうだね・・・やっぱりあなた・・・兄さんに作られたんだね」


そうだ、いつも私が泣いていると兄さんはそういって頭をやさしくなでてくれた!

間違いない、兄さんだ・・・

確信は無いけど、時間軸が違うこの世界でなら、いつか兄さんに逢える!

兄さん、私がんばれそうだよ、待ってる、だから必ず来てね!

私はその夜タケルを抱いて寝た、色々エッチな事やってきたけど気にならなかった。

だっていつも私が寝てると熟睡してるか確認して同じようなことやってきたし・・・




今日は休交日、私は帝に連れられて戦場視察に出かけた、勿論ナンナとナーナも一緒、部隊を500人くらい連れての行軍・・・

正直あまり見たくない所だけど、この世界で生きていくなら避けて通れない道だよね・・・


「激戦区では無い故、そう硬くなる事もない。今日は雰囲気だけでも味わえばよい」


「はい、帝」


「ナンナ!お主は時期帝じゃ、戦がどのような物か心して見ておくのじゃ、その非常さも非道さもな」


「解っております、私情は挟みません」


「ちょうどあの場で戦闘をしておる、行くぞ!」


そして戦闘が見える位置まで私たちは近づく・・・


「え?帝!あれはどういう事ですか?あんな小さい子が前面に、あれでは殺されて・・あ!」


小さい女の子が殺された・・・何よ・・・何であんな小さい女の子が・・・


私は馬を全力で走らせた・・・また女の子が殺される!助けなきゃ


「何をやっておる!馬鹿め、お主達はここで待っておれ!」


「はい!久美・・・・」

「帝!久美を助けて!」



私は無我夢中だった、女の子を救うために・・また殺された・・何でこんなに沢山の子供が前線にいるのよ!

私の中でまた何かが大きくはじける、、、


バリン!


勢いよく流れるサンスクリット語、、そして


「やめろ------------!

ヴァジュラ、ヴィシュ、ヴァルーパ、インドラ!」



ドカーーーーーーーーン!


私自身で放ったフォルムの威力に私が恐れる、、、そして人が大量に死んだ・・・・

私が殺した・・・殺したんだ・・私が・・・


私はその惨状を前に倒れた


「何をしておる!まだ敵はおるのじゃぞ!」


意識を失う寸前に帝が見えた、何人もの敵を帝が切り倒している凄い・・・


「しかしなんという威力じゃ、失神しておる・・・初めて人を殺めたのじゃな、いたしかたあるまい」


「久美!久美ーー!」


「あんずるでないナーナ、気を失のうておるだけじゃ!」


「よかった・・・」



天楼閣に戻った私は気がついた、そして思いおこされる殺人・・・


「気がつきましたか?久美」


「ナーナ・・・私・・」


「解っています、ですが久美だけの手を汚させません、私も敵と多少戦闘を行いました」


「ナーナ!あなた、危ないじゃない!」


「久美と共に戦う決意をしたんです、だから手を汚すのも一緒です!」



ナーナはどこまでも私と共にあろうとした、そうだ・・私は一人じゃないんだ、、、タケルもいる

大分気が楽になった・・ありがとう、ナーナ



そして・・私がこのラ・ムーに来て30年、私たちは学校を卒業した。


今日は卒業式の日、私は友達になった帝の一族、朔の宮タキ姫と同じく朔の宮エレ姫そしてナーナと共にいた。

流石に士官学校だけあって、今回は帝の姿もある。


帝の挨拶が始まる

「皆の者、今日は目出度き日じゃ!妾も長々と話すつもりは毛頭無い。一つだけじゃ、ここは士官学校じゃ!士官して帝立士官養成訓練学校卒業生にの名にふさわしき働きを見せよ!以上じゃ」


「は~・・・叔母上、もう少し気の利いたご挨拶を・・・・」


「そうですね、タキ・・・帝になられてもう長いのに・・・」



「よいではありませんか、帝らしくてとてもよい挨拶だと思います」



『こっちの姉ちゃんも随分といろっぺーパンティー履いてるじゃねーか!』



「えっ?エレ!タケルが覗いてますわよ!」


「キャー!」


バキ!!


『いてーじゃねーか!何しやがる』



「お前はこっち来てなさい!」



「相変わらずですねタケルは・・・・」


そして私達はそれぞれ士官をした、ナンナとナーナは200才となった、本来成人と同時に帝候補は帝となり、先帝は上皇となるが、ナンナはまだ早いと帝の言葉があり見送られる事になった。



「帝、すまぬのう・・・妾の無理を聞いてもろうて・・お主一人悪者にしてしもうた、ほんにすまぬ」


「気にするでない、妾も同じ考えじゃった、ナンナには武力が無い、お主の血を引いているだけあってなるほど魔力は目を見張るものがある。じゃが神道魔法は傑出した武力があってこそ初めてその威力が物を言う、せめて久美がナーナではなくナンナの待ち人ならばのう・・・」


「ナンナの待ち人は最強の天空人じゃと言う、ナンナの夢見では、そのフォルムは都を一瞬で破壊出来る程の威力じゃそうな」


「マイ〇ルジャクソンではないか!!」


「何を言うておる、マイ〇ルジャクソンが一体何年前の者じゃと思うておる」


「このようなこと妾が言うてはまずいのじゃが・・・・マイ〇ルジャクソンに復活して欲しいのう・・」


「人が聞いていたらどうするのじゃ!真実を皆に話すのはまだ早い!」


「じゃがのう桜、ナンナ達はとうに気づいておるぞ?じゃから彼の者の部屋に久美を連れて行ったと妾は見ておる」



「ヴァルキュリアか・・・確かにあの子達は憧れておった」



数日後

私は近衛連隊に入隊していきなり左官に任命された、訓練課程もそうとう厳しく疲れ果てて帰って来る


「あ~疲れた・・・タケル?どこ行ったの?あれ?あのバカまさかまた侍女の更衣室にパンティ盗みに行ったんじゃ!?」


直ぐに駆け出してタケルを探しに行く


「ねえ?タケル見なかった?」


「あっ!久美様、タケルなら先程奥の院で見かけましたよ?」


奥の院とは皇族の寝所などがある場所を指す、て事はまさかあのバカ帝やナンナのパンティ盗みに行ったんじゃ・・・・


駆け出して行くとすぐに


『あ~~~食った食った・・お?久美じゃねえか!どうしたんだ?』


「え?・・・・あんた・・・タケル?」


『誰に見えるってんだ?』


おかしい・・・変態スライムは飼い主の行動と造ったマイ〇ルを真似ているだけ、私の名前を覚える事は無い・・・・

だがタケルは今久美と・・・しかも明らかに私の言葉を理解して答えた、しかもこの姿は・・・




帝との謁見の間


「メタル化しておるのう」


「やっぱりそうですか・・・・」


「メタル化?とは何ですか?」


「妾も初めて見るのでよく知らぬが、変態スライムはとある条件を満たすとメタル化しおるらしいのじゃ、メタル化するとまず魔法攻撃は一切効かぬ、そしてエッチピーいち結界と言う結界が張られ、打撃攻撃も殆ど効かなくなる。微妙にじゃが効いておるらしく何度か攻撃すると倒す事が可能となるが、その前に必ず逃げられてしまうので倒す事はまずできなくなると言うことじゃ。」


「でも逃げられなければいいんですよね?回り込むとか」


「ではナーナ、そこでタケルを捕まえてみるがよい。タケル、ナーナから5回逃げ切ってみよ!成功すればナーナの今履いているパンティをくれてやろう」


『マジっすか先輩!』


「こっこれは何とか捕まえなくては・・・」




テレレレレレレレレレ♪


変態メタルスライムAが現れた


ナーナの攻撃・・ピリリ!

プワ!

変態メタルスライムAはヒラリと身をかわした


ナーナの攻撃・・ピリリ!

プワ!

変態メタルスライムAはヒラリと身をかわした



ナーナの攻撃・・ピリリ!

プワ!

変態メタルスライムAはヒラリと身をかわした


ナーナの攻撃・・ピリリ!

プワ!

変態メタルスライムAはヒラリと身をかわした



ナーナの攻撃・・ピリリ!

ズザザザザ!

変態メタルスライムAは逃げ出した


パリラリラ~♪


ナーナは今履いているパンティを変態メタルスライムAに奪われた



『スーーーーーーーーーー、ハーーーーーーーーーーーーースーーーーーーー、ハーーーーーーーーー、マイルドだぜ!』



「恥ずかしいです」


涙目のナーナ



「早く食え!」

キン!!



「いたーーーーーい!何なのよこの固いの!!」



「メタル化と言うのはそう言う変化じゃ」



「知ってます!」



「しかし久美、お主も大分溜まっておるようじゃのう、男が欲しくば妾が紹介してしんぜよう」



「はあ?何のことですか?帝」


「隠してもタケルのその変化でばれるわい」


「ですから意味がわかりません」


「変態スライムは女子の自慰して出した、それのついたパンティを食す事により変化するんじゃ、その様なものそう簡単には手に入らんじゃろ?じゃから少ない希少種なんじゃよ」



「な!・・・・・・私じゃありませんよ?・・・本当ですって!タケル!何とか言いなさいよ!」


タケルはナーナのパンティに夢中になってて話を聞いていない

帝とナーナからの疑いの眼差しが痛い・・私じゃないってば~~~~~~~

とその時・・・・ナンナの顔が真っ赤になっている事に気づく・・


「えっ?」

帝もそれに気づいた



「なんじゃ、、、お主か・・」



「いえ・・・その・・・」



「何故すぐに自分だと言わぬ!」



「その・・・それは・・・」



「お主久美が疑いの眼差しを向けられてて、そのまま平然と物言わぬで通そうとしたのか?その様ないやしき物の考えで何が帝候補ぞ!」


帝が怖い・・・でも・・・


「も・・申訳・・・」


帝が立ち上がり殴ろうとしたその時



バチン!!


私が間に入り拳を止める、そう・・兄さんなら絶対こうするはず、恐い、帝が恐ろしい、でも兄さんならどんなに恐ろしくてもふてぶてしい態度で必ず弱いものを守り通す、私はそんな事できない。

でも、ナンナは守る、恐くて震えが止まらないけど・・・


「久美!」



「如何に天空人とてこれは内輪の問題ぞ?邪魔をするならお主とて容赦は出来ぬが?」



「お待ちください帝、どうか私の話をお聞きください」


真剣に帝の目を見つめる、逸らしては駄目だ!飲み込まれる!

しばらく帝と睨み合う



「話してみるがよい・・」



「ありがとうございます、帝、ナンナとて帝候補とは言え女の子です、ましてや愛する人がいるならその人の事を思い悩み、自慰の一つもするでしょう・・・ですが表立ってそれを私がやりましたと言える者が普通に考えているでしょうか?そんな人がいたらそれは異常者です。

そんな異常者が人の上に立つなど私が下々の者ならいやです。そしてもし、誰かが自分のやった事で責められているとしたなら、もしかして私だったらなすりつけてしまうかもしれません、そしてその者に罪悪感を感じて謝るでしょう、そうやって人は成長していく物です。

学校とは学び舎とも言います、そう言う集団行動を行い、学び覚えて行く場なのです。

ですが帝候補はその学び舎に行かせて貰えません!どうしてそれを学んで行く事が出来ましょうか?お願いです帝!ナンナの今回の事はそれが最大の原因なんです!わかってあげてください!!」



言ってしまった・・・恐い・・・・

私は感じていた、ナンナはどこか人と違う、ありていに言えば冷たいの・・・

KYではない、どちらかと言えばナーナの方が余程KYだ。

ナンナの場合はそうじゃなくてキツイ人、言葉を丸くしないで常に急所をついた喋り方をする、引きこもりや対人関係が不出来な人に多くいる典型的な喋り方だ。これは多くの人に接していないからそういう感覚が身につかないのが原因なんだ。




「成る程のう・・よく見ておるわい、のう桜」


「そうじゃな、まさか殆どナンナと接していなかった久美に指摘されるとは思わなんだ」


「よい、此度の件久美に預けおく、そのナンナの心の病、久美が見事克服させれば不問にいたそう」


「え?どういう事ですか?」


「母上・・・」


「ナンナ・・・即位の件はの、妾がまさに今久美が申した理由で帝に待っていただく様お願いしたのじゃ、そなたは優秀じゃ、魔力もここ数代の帝の中でも頭一つ飛びぬけておる、じゃがその驕りがお主を駄目な人間にしてしもうた、妾も育て方がまちごうてしもうた・・・」


「驕りなど、私はそのような事いたした覚えはございません」


「そこに気づかぬ処がまさに驕りなんじゃよ」


そうして桜姫が私を指さす

「今必死でそなたを守った者・・・久美じゃ、帝の威圧を感じて尚、見るがよい、未だに震えが止まっておらぬ・・・・その者に声一つかけてやれぬそなたにどこが驕りが無いと言えるのじゃ?」


「あっ!久美・・・・ごめんなさい・・・私、私」


泣き出すナンナ、それを見つめるナーナも暖かい目をしている


「わかりました帝、私とナーナでナンナを直ぐに変えて見せます、私とナンナ、ナーナは血が繋がってなくとも、もう姉妹です!」


「よいであろう、ナンナを暫くそなたたちに預けおく、よいな?桜」


「構わぬ、頼むの、久美、ナーナ」



私たちはそれから本当の姉妹の様に過ごした、タキとエレもそこに混ざりタケルのメタル化による変態度も増して飽きない日々が続く。



そして戦場、私たちは激戦の続くカーヴァルへやってきた、カーヴァルはラ・ムーの最後の砦とも言われる要塞都市、ここを抜かれるとラ・ムー首都であるシオンへの道が開かれてしまう・・・


「ナンナ様へ報告、帝より右翼の応援を致されたしとの事!」


「帝へ心得ましたとお伝えください!出陣いたします、馬引けーーーー」


「必ず私が2人を守るわ!安心して!」


「久美!私たちもあなたを守ります、神道魔法はそのためにあるのですよ!」


「ありがとうナーナ、ナンナ!」


「押し出せーーー!」

ナーナの声が響く



ワーーー!


「詩いますナーナ!」


「はい!お姉さま」


神道魔法、祝詞により作り出されるその魔法は戦う戦士に補助魔法を遥かに凌ぐ効果を与える、神がかると言っても過言ではないその魔法は万の兵を数百で倒した事も過去にあったと言う、私はもう恐怖しない。

姉妹を守ると決めたんだ!そして守るべきは帝、兄さんが崇拝している天皇陛下のご先祖様なんだから


フォルムで敵をなぎ倒す、数百もの敵を私は既に倒していた、そして・・・

『あぶねー!』


ザシュ!!


えっ!タケル・・・・・・

何よ・・・・どうして溶け出すの?

結界は?HP1しか減らないんでしょ?


『わりい、どじっちまった・・でもお前が無事でよかった・・・』


「変態メタルスライムがいたとはな、でもこれは神代武器の一つ王者の剣、如何にメタル化してもこの剣の前には無意味」


私は・・・・・・


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!タケルーーーーーーーー!」


目の前で何かがはじける、恐ろしい速度で流れる文字

「うわぁぁぁぁぁぁ、バジュラ!マハ、メルト!」


大爆発が起こる、巨大な炎の柱が渦巻く、アグニなど問題にしない程のとてつもない炎の柱、上空何百メートルとも言える程の巨大な柱があたりの地形をも変えてしまった・・・



小さな女の子、これも前に見た肉壁?、、、、

「大丈夫ですか?天空人様・・」



「ルチル!早く逃げなさい、貴女はここにいちゃ駄目!貴女は絶対死んではいけないの!」



「母さん、でも天空人様が・・」



「大丈夫よ!お嬢ちゃん、私は、、早く逃げて」



「天空人様、死なないでください」



女の子は走って行った・・・

そしてそこに1本の剣が立てかけられていた、その炎の柱にも溶かされなかったその剣・・・

「どうしたんですか?久美・・これは一体」


「ナンナ、ナーナ・・・タケルが、タケルが・・死んじゃった、死んじゃったよーーーー、わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


「なんじゃ今のは!久美・・・・お主がやったのか・・・・これが天空人の使う本物のフォルムか・・」


「久美、私は貴女に助けていただきました、今度は私が助ける番です、帝!お願いがございます」


「うむ・・・申してみよナンナ」


「この戦、勝敗は決しました、我らの勝利です!久美の今の巨大なフォルムにより」


「そうじゃな、敵は逃げ出してしもうた・・・我らの勝利じゃ」


「ですが久美が今のフォルムに目覚めたのは、久美が愛おしく育てていたタケルの死による物、そしてそこにあるは恐らく100年以上前に盗まれた我が皇族に伝わる王者の剣、是非タケルの形見としてその王者の剣を久美に預けていただきたく、お願い申し上げます」



「・・・・・妾は今何も聞いておらぬ、そしてそこには何やらわからぬ剣が落ちている・・その剣を誰がどうしようと妾には預かり知らぬ事じゃ・・・戻るぞ」



「は!帝の恩情に感謝を」



王者の剣、、、恐らくは草薙の剣タケルの命を奪った剣だけど、タケルは私を守るためにもしかしてこの強力な剣を私に持たせてくれたのかもしれない・・・

そう思う事にしよう。

兄さんもいつもそうだった、私が何か不幸になる事はみんな自分が悪い、兄さんは私を守ると誓ったから、タケルはやっぱり兄さんが造ったんだ。



そして・・・・

「今日よりナンナ、お主が帝じゃ!そなたの焦がれる天空人と、そしてナーナと久美と共に必ずやこのムー大陸を統一せよ!」






「錦の御旗を掲げよ!帝の出陣だ!」

私の号令と共に御旗が掲げられる、私は大将軍に任じられた

そしてタケルの形見である王者の剣を天空に突き上げ

「出陣だーーーーーーー!」

振り下ろす、帝となったナンナを先頭に、ナーナ親王、そして私は出陣する。

いつか逢える、こうしていれば必ず兄さんに!

私この世界で戦いの女神になるよ!兄さんの大好きそうな女神・・そうすれば兄さんがもし来た時に気づいてくれるよね?

そうよね?たける兄さん!









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女神になるよ!天空人久美の約束 (神様なんていないよな 外伝) 非魔神 @112355

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