シアター

第1話

どおおん、爆音が劇場内に響く、山場だ。正直でかすぎる、僕は思う、０．５秒後どおおん、席に衝撃が伝わる、はあ？うしろはおっさんである、態度が悪い悪すぎる。音が響くたびにおっさんは僕の席を蹴る、いや本人に言わせればちょい当たった。であろう、やられるだけというわけにはいかない、すかさず鍛え上げた背中を用いて席に衝撃を与える、どおおおん、、、周囲の視線が集まる、皆マナー違反者は出ていけという顔をしている、なんでやねん、ア、自分はアホだった。おっさんは映画に合わせてケリを入れる、しかし僕は唐突に背中をどおおおん、悪いのはどうかんがえてもおっさんである、しかし事情を知らないものからすれば僕だけが悪者である。なんてこった、ぼくはたまらず席を立ち劇場を後にした。