記憶

「あのりほってやつ?結構可愛いよな」

「ほぉ…。」

ニヤつきながら笑う守に、バシッと叩く光。


ーー野上りほは、黒髪の紅色の澄んだ瞳をしていた。

長い髪は、それを一層美しく引き立ており、誰もが二度見するであろう顔立ちだった。


だからかな。

なんだか、あの子を忘れたくない、頭に染み付いて離れないのは。


でも、それを知るのは、まだ少し、先のこと。



少女は横たわっていた。

周りにはカーテンで仕切られている部屋の、ベットの上で。

何だろう。ぐるぐる変な場所にいる。

…?何か見えて来た。

その教室には、1人の少女がいた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


光は、その少女と仲が良かった。

腐れ縁でもあったが、少なくとも光は少女のことを親しく思っていたはずだ。


だから、上に立つ光は、能力を持った光は、少女に力を与えた。


「うわぁ!本当だっ!!」

少女は力を確かめるように、机を何度も殴り、壊していく。

「ッ…!?痛いっ…。なん、で」

少女の目が赤くなっていく。

「言ってなかった?代償だよ。」

ーー聞いてない!

とぼけんなよ、と叩いた光の背中から、血が噴き出した。

「………ッ!??!?」

光がゆっくりと倒れていく。

その光景が、変わったのがわかった。


「うわぁ!本当だっ!」

少女は机を何度も殴り、破壊していく。

ーーさっきみたな、これは。

まさか、と思い光の首を締めた。

5秒程度で光はあっけなく死に、またもや光景が変わる。


「うわぁ!本当だっ!」

もしかしてこれは、光を殺すとループするものなのか?

ならば、この目を取り替えさせてもらうぞ。

「…光が悪いんだからな。」

「えっ………?」

近づいて来た光の胸元を殴り、心臓は張り裂けた。




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