エピローグ
この世界には、小さな国がひしめき合い、大きな国が覇権を争いあっていた。
中でも、一際大きな国は、圧倒的な力を持った女王が何千年もの間、統治しており、彼女の傍らにはいつも妖孤が控えている。
かの国の民は手のひらほどの大きさの妖精であり、自然の中で、エルフなどの一族とともに生きている。
遥か昔から搾取され続けてきた一族たちが、女王を頼り、助けを求めて集まってきた。彼女はそんな民を受け入れ、保護し、教え、導き、国を繁栄させた。
他国のものは、かの国の民を狙い戦争を仕掛け、盗みを働こうとした。彼女は、自分の民に害を及ぼすものを決して許さない。多くのものが、女王の力で容赦なく潰されていった。いくつの国が滅んだか、数え切れない。彼女から、他国に手を出すようなことはない。基本的に静観を決めている。
圧倒的な力を持ち、民を守るために容赦のない彼女は他国から、『妖精の女王』『氷の女王』と呼ばれている。しかし、他の妖精と違い、人間と同じ大きさでありながらも、人間にはけしてありえない美しさを持つ彼女に、人は魅了され、深い碧の瞳に見つめられると虜になってしまう。彼女とのつながりを求めて、湖のある王城を訪れている。
小さな愛 露薫 @tsuyu
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