皆さんは、「ファイナルデスティネーション」という映画を御存じでしょうか?
2000年にアメリカで公開されたホラー・サスペンス映画なのですが、大まかな内容としては、「死神に魅入られた登場人物達が、逃れられない死の運命に次々とさらされる」というものです。
この小説を読んだとき、上記の映画になんとなく似ていると思ってしまったんですよね。ネタばれになるので本作については語りませんが、ちょっと……いや、かなりヤバイんじゃないのかと。
何がヤバイって、作者様の置かれている状況です。
確実に“あれ”が近づいているような気がして、だからこその「ひとこと紹介」の文言なのですが……ええ、本当に心配ですね。
もしかしたら、“彼”が何を言いたかったのかさえ分かれば、迫りくる〇を回避できるかもしれません。
なので誰かこの話を理解できたのなら、どうか作者様に教えてあげてください。作者様の生命を守るために――。
本作をレビューするかどうか、私は迷った。
そもそも、これを人にすすめて良いものか、と悩みもした。
怖い。
あまりにも。
現実とは、そこまでに非科学が及ぶものなのか?
怖い……怖すぎる……
“彼”がなにを言おうとしていたのか?
作者の前田薫氏は今でも、それを知りたいと語っていた。だが、読み手の立場からすると、知るのもまた怖い。“なんらかの境界線”を踏みこえてしまいそうな気がするからだ。
本作は三章仕立て。終章にとっておきの恐怖が待ちかまえる。読者の全身を凍りつかせるものだ。ページをめくった途端に“読まなきゃよかった”と後悔することになるだろう。心臓の弱い人は注意していただきたい。
そして……最後の前田氏の問いかけに答えられる人がいるのだろうか? 私は知らない……