第7話

カマキリ頭の化け物の肉片は静かに青い炎に包まれ、火の粉を散らし、最後にはなにもなくなった。

「さてと・・・」

彼女は再びこちらに視線を向けた。

「どう?私、つよいでしょ?」

「あぁ・・・」

「なら、わたしをぼでぃーがーどにしない?」

「お前、なんなんだよ、あの、化け物も・・・

なんでこんなのに俺、巻き込まれてんだよ!!」

突然の事に思わず感情が爆発する。嫌だ、怖かった死ぬかも知れなかった。そんなことを考えるだけで足がすくんで立つのも辛くなる。

「・・・」

彼女は答えなかった。

「・・・」

俺は、膝を抱えうずくまる。

足音が聞こえる。頭になにか感触がある。

「よーしよーし・・・」

その手に力を入れ頭ごとよこに倒される。その倒れた先に待ち受けるのはモルタルの感触ではなく、柔らかい肉の感触だった。

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されど邪神は月に笑う @yuzuremo

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