第6話

彼女はそういうと再び俺に背を向けた。

華奢な彼女の背中を見つめる。不思議と安心するのはなぜだろう?

大きな鎌を構え、彼女は化け物相手に突進を仕掛ける。

化け物はその両腕の触手を大きくしならせ、辺りの障害物を手当たり次第凪ぎ払う。

がこん、がこんと机が吹き飛ばされ、彼女目掛け飛んでくるが、交わし、弾き、彼女の勢いは止まらない。

一瞬で間合いを詰め、化け物が触手をその巨体を守るために触手を引き戻すが、その触手を根本から一閃で切り落とす。

「まずは、腕」

両腕を切り落とされた化け物は苦しそうに叫び声をあげようとするが、その暇すら与えられなかった。

「次に頭」

俺に見えたのは鎌を二回振った姿だけ、しかし、両腕は腕から離れ地面に落ち、首も床に落下していくところだった。

首が地面に落ちた振動で胴にも切れ込みが見え始めやがて輪切りになった胴が横たわるように崩れ落ちた。

「さーびす、さーびす」

やられた側からしてみればたまった物ではないが、今はただ、彼女の絶技に見惚れるしかなかった。

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