格好良いなと思える主人公が、最近は少なくなりました。
この『聖剣の使い『足』』を読み始めた当初も、正直に言えば格好良さは期待していませんでした。面白ければそれでいいかな、と。
でも読み進めるうち、物語の世界に入っていくうち、主人公の格好良さに夢中となっている自分を認識しましたよ。
(特に正体を明かす時のくだりは、ホント格好いい)
タイトルにもありますが、使い手ではなく使い足という珍妙な設定にも興味を惹かれます。
話が進んでいくと出て来る神速の剣士や、狂拳士、ポエマーな剣士などもいい味を出していて、世界観の構成に一役買っています。
バトル物で、私が今一番はまっている作品。
物語がどう動いていくのか、主人公とヒロインの少女がこれからどんな事を経験し、どんな関係になり、どう帰結するのか。とても楽しみです。
渋いおじさんが若い女の子に惚れ込まれて無双しまくる、っていう男のロマンが詰め込まれた一作。
年の差カップルはしばしば作劇のモチーフとして取り沙汰され、人気を博すものですが、ご多聞にもれず本作も女の子を危機から助けることで出会いを果たします。
そのおじさんが実は伝説の最強剣士で女の子の憧れの存在でしたーとなれば、まぁそりゃ惚れられるわけで。
おじさんもおじさんで実生活はてんで頼りないゆるキャラなのに、剣の腕前(足だけど)だけは強いというギャップ持ち。
そう、足。
何だか足で刀を装備しています。
ふぁっ!?
何だこれわけわかんねえけどとにかくすげえことしてるのはわかる……。
こんなヒーロー像は見たことありません。びっくりしました。
和洋折衷な独特の世界背景(和服中心なのに警ら隊の制服や病院などがあることから、文明開化直後の明治時代あたりがモデル?)に慣れるまでが少し戸惑うかも知れませんが、伝説の剣豪と剣聖を中心とした複雑怪奇な人間模様は一読の価値ありです。