第3話 公害は怖い 木を植えましょう
結局、スセアの結婚は再来年の年の初めと決まった。
さすがに、12歳の娘と結婚はできません。
ただし、俺の毒牙にかかるのはしばらくお預けとなり、3年のおあずけをとなるわけ。
「陛下、平均すると2年置きに結婚してますね。」とレムリア。
レムリアが一昨年で・・今、見た目15+2で17
レミアが今年で・・今、見た目15で16
アリエスが再来年で・・今15で再来年15.5
ややこしい・・ま、いいか・・
年明けから、スセアは皇都にあるアレステア王国の別邸に住むことになった。
花嫁修業の一環らしい。
ただ、スセアも前世の記憶がよみがえっているので、魔法が使えるようになっているのだが・・失敗を多くするのでミステイクエンジェルの異名を付けられてしまった。
いまは、汚名挽回の為、アリエスが魔法を教えている。
週末になると、皇宮に遊びに来るのだが、ウォルフに「スセアママ」と刷り込みを行っている。
ウォルフが1歳なので・・年の差11歳。でも嫁たちの計画によると・・
レムリア21歳、レミア19歳、アリエス17歳、スセア15歳という計画らしい。
現在は・・レムリア17歳、レミア15歳、アリエス15歳で4年保留予定ってことで・・・スセアは3年後15歳になるのだが15歳で5年保留という事になるらしい。
つまり、ウォルフとの歳の差6歳!!
「スセアお姉さん」と呼ばせる日も近いかも・・
俺の嫁の記憶はもうないので・・大丈夫と思うが・・天界のジジイがこれで済ますとは思えない。
さて、俺の国も結構様になってきたのだが、人口増加と共に問題になってきたのは木材の不足と燃料の不足だ。
つまり、森を切りすぎたのだ。
応急処置として、ドングリを集めさせ、俺と、レムリアたちが魔法で大量の水を作り、これを各地に運ばせた。
まずは、はげ山になった所にドングリを植え、俺達が作った水を掛けると、1年で20m程度の高さの木に育った。
特定の面積を10等分し、間引きを除き、1年に1区画のみの伐採を許可した。
10年もあれば俺たちの魔法で作った水は要らないのだ。
全体的にいえば農地1に対し植林1の割合だ。
間引きされた木は炭になり市販された。
さらに、多量のドングリが落ちるので、一部は食料、その他は家畜の餌になった。
また、太さ20cm程度のものは、食器になった。
木の植え方を工夫し、防風林を作っているところも多い。
これ以外には、ヒノキの仲間も植えた。こちらは主に建築用だ。
初年度はこの年に使う分の2倍の面積を植林し、材木を確保した。
あとは徐々に面積を増やし、俺たちの魔法が必要ないところまで持っていくだけだ。
また、一気に、ドングリ林を作ったので、燃料には事欠かなくなり最近は、屋台でも炭を使った焼き肉屋がかなり増えた。
つまり、ドングリで育った豚が大量に出回ったのである。
ある日、商人子弟が面白いものを持ってきた。
真円の玉だ。
どうしたのかと聞いたら、臼の中が欠けたようで、その中で円周状に溝が出来、面白いからちょっと柔らかめの石を入れて回したら真円になったとか。
これをヒントに、臼の部分を鉄にして焼き入れを繰り返し、鋳造した鉄の玉に焼き入れをし、挟んで油を流し込みながら回したら、真円の鉄の玉が出来てしまったとか。
あとは溝の数を増やせばいいという事なんだが、旋盤で容易に溝はつけられる。つまり、大量生産が可能という事だ。
使い道が思い当たらないので、書庫の本を読ませてくれという事で、技術書の書庫を解放した。
そして、1月後持ってきたのは、玉を挟んだ輪っかだ。それを仕掛けた滑車も持て来た。
滑車の動きはというと、めちゃかるい。下手な引っ掛かりのような抵抗感がないという感じで、すいすい動く。
いわゆるベアリングの誕生だ。あとは、馬車などに応用するのだとか。
これを旋盤に組み込んだら、更に動きがよくなり生産性も上がった様だ。
一応、人口も増えてきたのだが、人口流入も多い。
近隣の諸国から流れてきたものだが、中には間者と思われるものも含まれている。
そこで俺はサーチを付与した魔道具を作った。
地図を組み合わせれば敵対するものがどこにいるかは一目瞭然だ。
さらに、入国審査にも使える。
これで、捕まえた間者は毎月10人は下らない。
半数は、俺の直属の部隊が始末している。うざくなったな・・と思ったら、大事件が起きた。
運河に毒を流し込んだのだ。
一気に多量の魚が浮き、更に村人千人余りが中毒で亡くなった。
流し込まれたのは3ヵ所。近隣の魔法で治療に当たっているものも数人殺された。
いわゆる、俺への挑戦だ。
運良く、間者2名を捉えることに成功し、魔法で吐かせた。
敵対したのは、マナウス王国だ。
最近、間者を多く送り込んでくる隣国で、俺の国の3/4程度の国土を持っている。
「陛下、如何されます?」
「ふん、毒には毒だな。」
マナウスには炭鉱があり、国土の中心を大きな川が流れている。
俺は、龍になり飛んでいき、炭鉱を破壊、地震を起こし石炭を隆起させ火を放った。
そして、煙に対し長期間雨を降らせたのだ。
強力な酸性雨が発生し、マナウスの国土は荒れた。
当然、川も毒水に変わってしまった。
当然難民が発生した。
「マナウスからの流入者を調べよ」
「はっ」
予想通り、間者が多数紛れ込んでいたが、全員除去した。
「あとは、龍を怒らせた祟り」とでも噂を流しておくだけで良い。
3年の後、マナウスでは革命が起こり、新王が立つことになる。
まだ見ぬ龍に恋した乙女は転生皇子の夢を見るか? はくあ @hakua2011
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。まだ見ぬ龍に恋した乙女は転生皇子の夢を見るか? の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます