第3節 「時間監視者」



ヒデカズ=クロダ、今日はどこかへ行こうかと、考えていったら、こんな結果が出た。


それは―――「イオン」。皆さんがご存知のスーパー、即ち複合施設の一つだ。


さっそく、隣の鈴鹿市すずかしにあるイオンモール鈴鹿へ行くことにした。まぁ、何回か行ったことがあるけどね。好きな施設の一つだね。


そんな話は置いといて…私はこのあと、不思議な体験を受けることになるのを、知らないのであった―――




「時間」。

「時空」。

「空間」。


もし、それらを操る人がいたら、私たちはどうなるのだろうか。どんな気持ちを持つのだろうか。

現代では、そんな妄想がアニメなどに反映されて、皆さんは分かる人もいるのだろう。

しかし、現実世界では、その能力はあり得ない。科学的機関がない限り、この世界すべては存在しない―――そう、ある者は考えているのだろう。

しかし、現実世界に存在したことは―――その世界の誰も、知らないのであった。




ここは「時の狭間」。水のようで、時の雰囲気を感じさせるような液体がすべてを覆っている。その狭間から人のような影が現れた。


時の影「……時間監視者タイム。ふふふ……悪いことは許さないよ……なぜなら、オレは、タイムの『逆』の存在なのさ…」


その影はフフフと悪く見えるような笑みを浮かべる。しかし、そのはそんなものではなかった。なぜなら……―――――ためである。





カチ…カチ…カチ…


秒針が動くときに鳴る音。機械的な音。それが、「彼」の存在を知らせるもの――




イオン。

鈴鹿市にあるイオンモール鈴鹿に入ったら、まずはゲームセンター!(笑)

そう、私はゲームも好きなのである。


数時間後…


さて、ゲームはここまでにして、イオンを見て回ろうか。

そう思った私は早速、その行動に移ることにする。


カチ…カチ…カチ…


ヒデカズ「ん?何この音…?」


……周りを見ても、なにもないただの人通りなので気のせいかと思った。

だが、「その人」は現すことになる。


???「……そうだねえ、ここもいい『流れ』だね。2016年9月17日11時26分39秒、40秒、41秒……『時間のリズム』も正常に起動してる…。問題なしか!オイラは正常のまま永く流れたいんだけどね」


え?時間のリズム?起動?え…?

その人―――時計を付けたかのような姿を持つ犬獣人は唖然としている私を見たのであった。


???「……やべ。早く出るかな」


そういったら、その人は指を鳴らす。すると、人通りの動きが止まってしまう。

そう―――「時間」が「停止」されたのである。


ヒデカズ「え?ち、ちょ……」


あわてて周りを見ても…動きが止まったまま。その状況により私をさらに唖然とさせるのであった。


???「あれ?何で動けるんだ?まさか、君……特別?」

ヒデカズ「え?あ?何でって……私も分からないんですよっ!!」

???「ん?君の胸になんか光ってるけど…?」

ヒデカズ「あ…」


確かに。私の胸を見ると光っていたので…それを出すと……

やはり。マーシャアスラが光っていることは…


ヒデカズ「そうだった、マーシャアスラの守護機能で時間を操られるという『効果』が受けないんだった。でも、こうなることは思わなかった…」

???「何ッ……やばいじゃん……ど、どうしよ…」

ヒデカズ「え?どうしまし―――」

???「我が名は『タイム』。我が役割ロールは『時間監視者タイム・オブザーバー』。我が権能ルールは『時間超越』。『対象きみ』を時間停止します……」

ヒデカズ「なっ!?」


私の足下から鎖が出てきて、体を拘束するように巻き囲まれた。何…これ…体が…動かない…!?

時計のような犬獣人―――タイムは私を時間からなくさせるのだろうか…?


だが、ある人―――「影」によって、私はまたの次元へ飛ばされた。






「時の狭間」。ここに飛ばされて、眠っていた私だったが、「影」がわたしに声掛けてくる。


ヒデカズ「んんん…」

時の影「大丈夫かい?やれやれ、あやつタイムが誤解してオメェを殺すところだったな…困ったやつだぜ」

ヒデカズ「……あ!!こ、ここは…?そ、それに…あなたは…」

時の影「まてまて、落ち着け。さては…オメェはヒデカズ=クロダだな?ノギアから聞いてるぜ」

ヒデカズ「なっ!?な、何で、ノギアが…」

時の影「あ、そっか。知らなかったんだった…ノギアもオメェと同じようにされたぞ。その時、オメェのこと聞いたから、知ってるぜ」

ヒデカズ「そうなんですか……そっか、ノギアもマーシャアスラを持ってたから…」

時の影「まぁな。作ったのは、オメェって聞いたんだけどな」


そう。私はマーシャアスラを作った。即ち、マーシャアスラは、その前身である「アスラ・ゼロ命の結晶」を改良・改善した、『創造の結晶』の最終形態である。


時の影「……全てを創ったとされる者か?」

ヒデカズ「………やれやれ、バレましたか。そうです…私は『』なのです」


そういうと、時の影はおおっと、驚きを見せていた。


時の影「……驚いたな。そんな聖なる存在に会えるなんて思わなかったからな」

ヒデカズ「そうですね…そんな話は置いといて、ここは…?」

時の影「ああ……話がそれたのか、すまん。ここは、時の狭間だ」

ヒデカズ「時の狭間…?」


時の影によると――――――

時の狭間とは、時の次元と時の次元……さまざまな次元が存在する中で、中心に位置する的な、いわば時と時の間にある場所らしい。いいかえば、「時の隙間」でもある。

そのため、時の狭間は「時のリズム」が乱れやすく、「時の流れ」が混乱し、ぶつかり合っている。

つまり、普通の人には耐えられないほどの「時」の圧力が大きい。なので、その「時」の効果を受けない人にしかここに居られないらしい。


なるほど……だから、私はここにもいられるってわけか。

まて……

それなら、私の前にいる影のような者は、ただの者じゃない。


時の影「がっはっはっはっつ♪そう思われるかぁ……仕方ねえな、オレは、エミット。英語で『EMIT』って書くんだけど、何か疑う箇所はねえか?」


EMIT……タイム……これを英語にすると……


ヒデカズ「…あ。」

エミット「気が付いたか。そうだ、EMITは、『TIME《タイム》』を逆にしたもの……つまり、言い換えれば、オレは、時間監視者という役割ロールを持つタイムの『裏』ってやつだ。簡単に言えば、タイムの裏の『人格』なのだが」


だから……エミットの姿が時計的な雰囲気だったのはそのためだったのか。なるほどね、参考になるわ~(笑)

ということは…?


エミット「おっと、人に二つの人格が宿るってやつじゃねぇ。それだけは分かってもらいたいもんだ」

ヒデカズ「え……てことは…」

エミット「あやつタイムオレはどちらも肉体を持っていて、それぞれの中に人格が眠っているわけだ。といっても、双子的な存在なのは、もともとオレたちが同じだからな」


なるほど……それは、「電脳」と同じだね。表の人身、裏の人身、ってところかな。


エミット「……時間監視者タイム、次やったら許せねえぞ…覚えておけよ…フフフ」

ヒデカズ「あのね…笑ってる顔が逆に怖いんですけど!!」

エミット「…あのなぁ…オメェも誤解されやすいか……『悪』じゃねぇよ…」

ヒデカズ「……え?」

エミット「オレって、あやつタイムの逆の存在だから、みんなから『悪』って思われてるが、それが『本質』じゃねえ」

ヒデカズ「………」


そう、エミットの存在こそが…『本質』である。


エミット「オレの存在が『本質』であり、その『権能ルール』を使う目的も……本質と同じだ。つまり……その『本質』とは、タイムが誤解してしまうのを除くためのものであった」

ヒデカズ「つ、つまり……タイムの、『監視者』ってやつですかね…?」

エミット「いや、そんなんじゃねえな。『保護者』ってやつだ」

ヒデカズ「あ~…こうして、誤解で他人を『なくしてしまう』のを除くために……」

エミット「……役割ルールは『保護者』、権能ルールは『誤解修正』。タイムを修正するぜ。スタート」

ヒデカズ「わわっ!!」


エミットが指を鳴らすと、その人の前に魔法陣が現れた。


ヒデカズ「こ、これは……」


すると、その魔法陣になんらかの「文字」が無茶苦茶変わっていく……なんなのこれ…。


《これより、ルールに必要な情報を加えます》


……この音声は……


エミット「これはオレ権能ルールの効果によるものだ。まっ、気にしなくていいがな、がっはっはっつ♪」


《成功しました。ルールに『マーシャアスラ』とその創造者の情報を加えました。記憶機能を再起動します。》

《……再起動に成功しました。『修正』を終了します。》


音声が途切れると、エミットの前にあった魔法陣が消えたのであった。


ヒデカズ「……終わったの?」

エミット「ああ、終わったぞ。これで戻っても問題ねえな」

ヒデカズ「……え?『戻っても』??」

エミット「安心しな、元の世界へ帰すだけのことだからな」

ヒデカズ「あぁそっか……」

エミット「まぁ、縁があるもんだ、また会ってしまうがな」

ヒデカズ「えぇ!?」

エミット「がっはっはっつ♪」


こうして、私は、時の影―――「タイムの保護者」であるエミットによって元の世界…イオンモール鈴鹿へ帰せられた。着いた時には、タイムがいたのであった。


タイム「ごめん…なんでもって、『ルール』にないから……」

ヒデカズ「は、はあ」

タイム「……改めて。オイラは『TIMEタイム』。オイラの裏であるエミットが言った通り『時間監視者』という役割ロールを持つ者。時間を自由自在に操る権能ルールを持っている」

ヒデカズ「起動ってどういうこと…?」

タイム「あぁ、『時間のリズム』だね?起動してるっていうのは…簡単に言うと、動いているって意味をたとえているだけで、機構システムがやってるわけじゃないからね。それを覚えておくといいよ」

ヒデカズ「ほ、ほぉ、なるほどな……」

タイム「おっと……ほかの地域も『監視』しないといけないから、そろそろ行くよ。じゃあね、ヒデカズ=クロダ」

ヒデカズ「……!」


まさか、私の名を呼ぶなんて……。まぁ、タイムのルールに私の情報を入れたからかな。まぁいいけど。

なんだかんだでタイムはここを後にし、どこかへ行って、時を監視しているのだろうね。


私はというと、そのままイオンモール鈴鹿を後にして、家に帰るってことよ。まぁ、家に帰ったらどうしようかな(笑)


ふと、思ったんだけど、タイムのルールって……『記憶』をたとえているんじゃないかな…?……どうかな、考えすぎか。


さてと、次の日はどんなことが起こるんだろうね―――?



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