第16話それから

前回までのあらすじ︰筋肉痛やべぇ


結論から言うと、修学旅行はめちゃくちゃ楽しかった。

それと、めちゃくちゃ筋肉痛がやばかった。

とどめに、いつもじゃ考えられない量の英世が消えていった。

で、帰ってきたんだけど。

「(せっかくのふりきゅーなのになんで風邪ひくかなー・・・)」

帰りの新幹線乗ってる時からだるいとは思ってたけどさ・・・。何で風邪ひくんだよ・・・。ふりきゅーなんだし遊びてぇ・・・。

修学旅行ではしゃぎすぎて、筋肉痛はさらに酷くなるし、だるいしで今日は動けそうにない。

「けほっ」

昨夜は9時にはもう寝てたと思う。今は・・・何時だろう。

とりあえずもう一度寝ようかな。

ピーンポーン

インターホンが鳴った。確か今日は両親ともいないはず・・・。

ふらふらになりながらインターホンのモニターを見る。

「はーい、今あけまーす」

少しかすれた声で言う。来たのは巧と朔だった。

「よ。遊びに来たぜ」

巧が言う。

「いや、僕遊べるほど元気じゃないんだけど」

今だって壁に手をついていないとやばい。

「えー、まじかよー」

巧にも言ったと思うんだけどな・・・。風邪ひいたこと。

「・・・じゃあ着替えてくるから、リビングで待ってて・・・」

僕は自分の部屋に戻った。

普段の何倍もの時間をかけて着替え、リビングに向かう。

「今日は何すんの・・・けほっ 僕動けないけど・・・」

僕が言うと、巧は携帯ゲーム機を取り出す。

「マルチやりにきた」

「あー・・・わかった。取ってくる」

再び部屋に戻ると、ちーちゃんがいた。

「おはようちーちゃん。これから3人でゲームするんだけど、見る?」

「いいの?」

「もちろん」

僕が部屋に戻ると、ゲームの用意ができた2人が待っていた。僕はソファに座る。

「リンゴむいといたから気が向いたら食べて」

朔が言う。・・・お前主夫かよ・・・。

「んじゃ、はじめるかー」

数分後。巧はショックでうなだれていた。最後の対戦、僕はちーちゃんに巧のいる場所を盗み見て教えてもらってたので、やられることなく逃げ切った。朔は途中から僕がずるしていることに気づいたみたいだけど。

「ごめんやっぱむり寝る」

「うん。わかった。俺たち、まだここにいて大丈夫?」

「うん」

あー・・・もう眠いな・・・。

ベッドに転がり目を閉じる。


ちーちゃんがいるということが、だんだん「当たり前」になっていく。

そんな僕のこれからの「日常」は、楽しかったり、辛かったり、笑顔になったり、涙をこぼしたりするのかもしれない。



でもそれは、まだ誰にもわからない。


僕が自らの手で、ちーちゃんたちとつくっていくんだ。



(新聞部の幽霊部員[零] おわり)

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新聞部の幽霊部員[零] 紅音 @animuy_fti

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