第4話 サポートユニット

全てのゲームのミッションをクリアーするのに二十日もかかってしまった。初見のRPGなどはやはり時間的苦戦は避けられなかった。


全てのゲームをミッションコンプリートしたことによって、交換アイテムの一覧に交換できるアイテムが追加されていた。強力そうな武器などが多く追加されていたけど、俺が目をつけたのはそんなものではなかった。


「サポートユニット・・」

アイテムの説明にはこう書かれていた。

(アイテムの詳細説明、ゲームルール、その他の知識の提供など、情報レベルA+までを網羅、また戦闘サポートも受けられる。戦闘数値は1万・・・)


戦闘数値が1万、これが高いかどうかがわからないので、他の武器の説明に戦闘数値の表記がないか調べて見る。すると搭乗型ロボット兵器の一覧に追加されていたテリオス型機動兵器の戦闘数値が7万と書かれていた。


テリオス型機動兵器の交換ポイントは2000万とかなりの高額である。一方サポートユニットの交換ポイントだが・・実はこれは二種類あって、一時と永続の二つがあった、言葉的に一時はレンタルで、永続は購入って意味だと思うんだけど・・その辺りの情報が書かれていない。


「一時で交換ポイントが120万・・永続だと500万か・・」


アイテムの情報を得るだけであればレンタルで十分のようも思えるが、そのレンタル期間が書かれていないのが気になる。1日で120万とかだったら流石に割高だと思うし・・やはりここは固く考えて永続を選ぶべきだろうな。


ゲーム攻略に情報の取得はすごく大事な要素だと思う。戦闘力と言う点では間違いなくテリオス型機動兵器を選ぶ方が良いだろうけど、俺のゲーム感はサポートユニットの取得を優先しろと言っている。幸いここまでのプレイとミッションコンプリートのボーナスで600万ほどポイントが貯まっている。俺は迷わずサポートユニットの交換ボタンをクリックした。


それは唐突に送られてきた。部屋の真ん中が淡く光ったと思ったらすでに

そこに一人の女性が立っていた。


俺は状況が飲み込めずに呆然としていた。すると女性は淡々と話し始める。

「初めましてマスター、私はサポートユニットのアリスです。今後ともよろしくお願いします」


アリス・・金髪のショートカットで恐ろしく均整のとれた顔立ち、身長は俺より少し高いくらいなので180cmくらいだろうか・・アスリートのような芸術的な体にピタッとフィットした服装をしていた。体のラインがくっきりと出ているので俺は彼女を長く凝視できなかった。


それにしてもなんて美人だろうか・・サポートユニットなんて言い方するから、昔テレビで見た宇宙戦争映画に出てくるちんちくりんのロボットを想像していた。それが今まで見たことないような綺麗な女性が出てくるなんて・・嬉しい誤算というか・・・てか、今まで生まれてこのかた彼女すらできたことない俺にとっては少し刺激が強いような気がする・・


「よろしくアリス。え・・と、確認なんだけど君は俺の命令をなんでも聞いてくれるんだよね?」

「もちろん禁止事項もございます。例えば私を製作した文明に関する情報提供などはプロテクトがかかっていますのでお答えできません」

「いや・・その・・そんなことじゃなくて・・」

いかん、俺は何を言ってるんだ・・あまりにも彼女が綺麗過ぎて暴走してしまっている。かなり邪な感情で彼女を見てしまっていた。目線がどうしても彼女の体をチラチラと見ていたので、アリスもそんな俺の感情に気がついたようである。そしてこう答えを返してきた。


「私にはアストラルレベルで構築された擬似自我感情がございます。性行為に関しましては、マスターへの感情レベルが恋愛ステータスにまで発展しませんと受け入れることはできません」


うわ・・変なところでリアルだな・・いや・・そうかこれはあれだ、恋愛シュミュレーションゲームだな・・てかそれより変な感情が完全に見透かされていて、すげー恥ずかしいじゃないか。


「あ・・うん、そうだよね・・」

俺はこう返事するのが精一杯であった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

侵略してきた宇宙人のゲームを命がけで攻略するゲーマーの話 RYOMA @RyomaRyoma

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ