第3話 ミッションコンプリート

俺はまず、ミッション達成率の上げることを優先することにした。まずはメモしたミッションの一覧を各ゲーム毎に分けて、ゲームタイトル毎に攻略していくことにする。


まずはテクニック重視で、攻略に時間があまりかからないジャンルから手をつけていこうと思った。格闘ゲームや対戦型パズルゲーム、シューティングなどが良いであろう。


最初は2D格闘ゲームの喧嘩ストリートというゲームを選択する。操作するキャラクターは、タイトルバナーとかで予想して主人公キャラを選んだ。格闘ゲームはキャラクターによって攻略の難易度が随分変わってくる。主人公キャラはバランスの良いキャラが多く、無難な選択と言えた。


基本操作は、他の2D格闘系のゲームと大差なく、すぐに慣れた。三回目のプレイで難易度ノーマルのストーリーモードをクリアーする。その後、ハード、ベリーハードとクリアーして、ストーリーモードを終わらせた。


いよいよここから格闘ゲームの本番とも言える対人戦である。もしかしたら対戦相手は、俺と同じで、この宇宙人のゲームに参加している人かもしれない。


通信対戦モードを選択すると、すぐに対戦相手が現れた。


「もこビッチ・・・対戦成績が3勝10敗・・まあ、それほど強くなさそうだな」


ちなみに俺のハンドルネームは☆KAZEである。対戦が始まるとすぐに壁際に追い詰める。弱攻撃で圧倒して、相手の隙を見て大技を発動させてとどめを刺す。1本目はほとんど何もさせずに勝利した。2本目では最初に相手に少しいいコンボを食らったが、逆転で勝利をすると、3本目はパーフェクトで勝利した。


少し実力差があって可哀想だけど、これもゲーム攻略の為なので仕方ない。


その後、ミッションの条件である対人戦10連勝を簡単に達成して、次のミッションである100勝を目指して対戦を続ける。途中で少しお腹が空いてきたので、食事を注文してみることにした。


アイテム交換端末から食事カテゴリーを開く。


「どれにしようかな・・」


ここまでに稼いだポイントはミッション達成ボーナスとかで2万ポイントほど溜まっていた。大抵のものは注文できるけど、あまり食事代でポイントを使用するのはやめておいた方がいいだろう。俺は無難に、ポイント800で塩ラーメンと半チャーハンのセットを注文した。


交換を確定すると、すぐに動きがあった。ゲームモニターのある壁の逆側の壁にある小窓がシャッと開くと、そこには注文した塩らーめんと半チャーハンが置かれていた。しかも出来立てのようでいい感じで湯気がたっている。


「はやっ!」


その交換から出されるまでの早さに素直に驚く。しかも食べてみるとさらに驚いた。インスタントでも難しいくらいの早さで出てきたのに、普通に美味しいラーメン屋さんで食べてると思うくらいに味が良い。チャーハンも米がパラパラで本格的であった。


食事を終えると、器を小窓のところに戻す。するとシャッと小窓がしまった。


満腹になった俺は強かった。連戦連勝で100勝を達成する。これでこのゲームのミッションはコンプリートした。俺は休むこともなくすぐに次のゲームをプレイし始めた。

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