第2話 恋人 亮司

亮司とは、大学のサークルで知り合った。身長が180位あって、性格が優しく陽気で、目鼻立ちがパッチリとしている亮司はよくモテた。よくモテたからこそ、特定の女性を作らないで有名だった。

そんな亮司に告白されたときは心底冗談だろと疑ったものだ。


少しばかりお酒を飲みすぎた私に肩を貸しながら、そして水を途中で飲みながら亮司と歩いた、大学2年の新入生歓迎会の帰り道。今でも覚えている。

駅につくと、「もう大丈夫~。亮司、サーンクス。」私は亮司に手をふった。

「いや、夜も遅いし、送っていくよ。襲われたら洒落にならないから。」そういって、亮司は私の腕を強く自分の方向に引っ張った。そのまま抱きしめられる形になって、お酒のせいなのかなんなのか、体があつくなった。


「ちょ、ちょっと。離してよ。みんな見てるから。」

「あ、ごめん。つい。」

「ついって。もう!じゃあ、特別にちゃんと家まで送っていってくれる?」

「はいはい。お姉さん。」


電車の中は終電だったからか、混雑していた。さすが東京っていう感じ。

亮司の吐息からお酒のにおいがする。

「今日結構飲んだよね。」私は亮司を見上げる。

亮司が視線を逸らしながら、「お、だな。」と短く返事する。


「お前は飲みすぎだよ。」

「うん

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