16 AI(人工知能)に官能小説を書かせるにはどうすればいい?

 この出来事の後、僕達の研究は、目まぐるしく進み、ひたすら創作活動に打ち込む。


「違う!」


 一皮むけたのか、モンちゃんは、 いつになく力説する。


「読者は博道の視点で、聖子の性感帯を探す事に、好奇心をそそられ、興奮するんだ! そう、あえていうなら『宝島』……読者は性感帯と言う、宝を掘り当てることを、目標にするんだ!」


 あえて言う――――モンちゃんは童貞で或る。まだ経験は無い――――。


「聖子は背徳に溺れるんだ!」


 設楽が割り込む。


「もっと、博道は荒々しくしないと、女をおもちゃのようにもてあそび、壊してもいいくらい、欲望を聖子にぶつけるんだよ!」


 設楽の、ガチクズの部分が冴えわたる。


「あぁ、いいよ。聖子ぉ、いい、興奮して来たよぉ」


 設楽、お前は何の変態なんだ?


「聖子の視点も必要よ!」


 終いにはハツリさんまで、語るようになった。


 僕達、AI研究部は、本来の目的を他所に、夢中で小説を作る。


 そして遂に――――。


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 ――――博道は聖子の白く、つやのある柔肌に触れる。


 彼女の身体は、驚くほど敏感で、火照っていた。

 吐息を漏らす聖子は、恥ずかしさのあまり、足を閉じて身をよじる。


 わずらわしい女だ――――。


 欲望を押えきれない博道は、聖子のじれったい反応に我慢できず、乱暴に彼女の両足を掴み、強引にこじ開ける。

 開かれた両足から、彼女の顔を見やる。 


 たわわな胸は、開脚した半身から見ると、山のように絶景で、谷間から覗く、聖子の顔は、恥ずかしさで赤らめ、紅の月のを思わせた。

 

 なんてイヤらしい山だ……おまけに、可愛い月まで、出ているじゃないか。


 彼女の茂みをかき分けると、博道はやっと、女として熟れた、もう一つの彼女を拝むことができ、ほくそ笑む。


「――――こんにちわ」


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 モニター上に書かれた、書式を見て、部員は感想を述べる。


「いいんじゃない?」と、ハツリさんは微笑む。


「あぁ」設楽は満足そうに言う。


「出来た」モンちゃんは清々しい笑顔を見せる。


「これで……人工知能研究はまた一歩、飛躍する」


 僕の一言に設楽が大笑いする。


「ハル。それは言い過ぎだろ?」


「そうかなぁ?」


 僕達は、思わず吹出して笑う。


 思考錯誤の末、ようやく僕達の研究と努力を体現した、力作が完成する。

 タイトルは――――――――



                             〈ナマ優しい性春〉



 やはり、作ったからには、誰かに見てほしいというのが、作家のみならず研究者の心情だ。

 僕達は試しに、小説をウェブサイトに投稿してみる。


 すると、小説を読んだ読者からは「文章から、ナマナマしいイメージが浮かぶ」や「久々に、官能小説でムラムラした」など、驚いたことに投稿した作品は、官能小説の愛読家たちの心を掴み、ウェブの話題をさらう人気作となった。

 

 そして、人気に目を付けた出版社から、オファーが来て、小説の書籍化が決定。


 書籍化の打ち合わせや、出版社や本屋の挨拶回りで、忙しさに身を任せていたら、あれよ、あれよと言う間に、店頭に僕達の官能小説が並び、業界でも、そこそこの売り上げを叩き出し、一目置かれる作品へと変貌を遂げた。


 こうして、業界で注目されるようになった

僕達は、官能小説専門の作家集団として、華々しくデビューを飾る。


 全てが終わり、元の大学生活に戻った時、ふと、これまでの苦労と道のりを思い出す――――――――。



 そもそも僕達は、官能小説を出版する為に、今日こんにちの研究していたわけではない。


 これまで、肝心なこと忘れていたが、やっと当初の目的に、立ち返ることが出来た。


 つくづく思う――――――――――――。







 ――――AI(人工知能)に官能小説を書かせるにはどうすればいい? ――――。


   


                             


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 こんにちわ、にのい・しちです。

 ここまでお付き合い頂き、まことにありがとうございます<(_ _)>


 カクヨムを始めて、皆様から、ここまで応援メッセージを頂いたのは、

初めてです! 感激です(;´д⊂) 

 

 何より、同じように物語を作ることが、好きな作家さんと、交流を持てたというのが一番の収穫です!


 そして、皆様に、私の性癖が露呈してしまったのが、一番の憂鬱です……


 この先の物語は、まだ未完成なので、コツコツと出来上がった物を、アップして行きます。

 皆様が楽しめる小説が仕上がるよう、精進して参ります<(_ _)>


 

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AI(人工知能)に官能小説を書かせるには、どうすればいい? にのい・しち @ninoi7

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