思い出をつまみに、最高の一杯を

毎日仕事に明け暮れ、疲れながらも働き続けていた主人公。ある日、寒空の中で彼女が偶然立ち寄ったのは、少し狭い不思議な雰囲気の居酒屋。
注文をし、酒のつまみに様々な料理を食べていくうち、彼女は次第に「思い出」の世界に引き込まれていき……。

二度とあり得ない、とずっと思い続けていた存在との出会い。それは夢か現か、最早彼女自身も含めて誰にも分かりません。ですが、彼女が経験した事、面と向かって語り合えた様々な話、そして共に味わった料理や酒の味は、間違いなく本物だったに違いないでしょう。

「一期一会」、たった一度だけしか訪れる事がない場所を舞台にした、心と体に染み渡る銘酒のような優しい作品。
最後に流した彼女と姉の涙は、その後の人生に一筋の虹をもたらす大粒の雨だったのかもしれません……。