パチンコ屋は過酷な職業だと、見ていて思う。
きらびやかな店内でも、ふと見ると疲れた顔の店員さんがいる。
いつの間にか、働いている店員さんが変わっている。
それでも、長い間変わらずに働いている店員さんがひとり、ふたりいたりするものだ。
1話1話がほどよい長さで区切られ、ついつい先を先をと読んでしまう。
過酷な仕事の中であらわれてくるトラブルや悔しさが、とてもよく伝わってくる。
あたたかな職場とは言いづらいし、楽しい職場とも言えない。
そうしたエピソードの数々は、ただツライだけのものではなくて、
きちんと最後には、人情味のある優しさや『救い』のようなものでじんわりとまとめてくる。
社会はつらく、厳しい。
だからこそ、たくさんの経験をして働く人は優しくなっていけるのだろう。
恐らくこの作者さまは幾度もお笑いというステージに立って、どうすればお客さんに自分のコントが伝わるか精査を重ねてきたのでしょう。
この作品はお笑いとは違いますが、文章のなかでその経験が生きていると実感されられます。
少ない持ち時間で如何に相手を飽きさせず、その上きちんと自分の表現したい内容を盛り込む、そう言った工夫が小説の節々から感じられるんです。
ぜい肉を限りなく削ぎ落した文章量と構成にスッと作者様のいたその世界へ入り込め、そして言葉、思い、行動のひとつひとつが胸に突き刺さるように感動させられます。
ドロドロとした世界や感情があってこそ美しいものが光り輝いて際立つんですね。このような作品に出合わせて頂き本当にありがとうございました!!
ただ、いかんせん本業のほうのお仕事を動画で見させていただいても私の口端はピクリとも動いてくれませんでしたっ><お笑いめっちゃ好きなのに><