Bloodstain Road
彼女は自問する。
どうしてこうなったのか。
こんなはずではないと……。
本当は幸せになりたい。
ただそう願っていたはずだった。
◇
私は神さまにお願いする。
今度こそ、素敵な人に出会えるように。
今までは散々だったから。
1人目は社交的で明るい青年。人当たりも良く、おまけに格好いい。
私と彼はすぐにお付き合いした。結婚を前提に。
だけと、彼は私と付き合っているのにもかかわらず、
他の女と遊んでばかり、ついには私の方へ振り向いてくれなくなった。
だから、彼の首をこの手で絞め殺し。
その後、辱めとして、裸で道端に放置した。
2人目は優しいけど、頼りない人。
出逢ってすぐ結婚したが、あまりに優柔不断で、
自分の身の回りでさえ、私にいちいち聞いてくる。
しかも、マザコン。
まったく、いい年こいて、まるで子どもじゃない。
だから、彼の好きなケーキを作ってあげた。
毒入りのね。
ついでに、ママが大好きな彼のために、ママと一緒に燃やしてあげた。
家ごとね。
3人目は軍人あがりで強い人。
ある日暴漢に襲われそうになった瞬間、助けてくれた。
いわば、ヒーローのような存在。
意気投合し、すぐさま仲良くなった。
しかし、普段の彼は気性が荒くて、常に喧嘩を買ったり売ったり。
ついには私に暴力を振るうようになっていった。
だから、アル中だった彼を崖から突き飛ばし、転落死してもらった。
4人目は真面目で、硬派。
超エリートで、将来を約束されている凄い人。
けど、本当にお硬くて、厳しい人。
時間に少し遅れたぐらいで、3時間も説教した揚句、帰るなんて。
ありえない、こんなのありえない。
息苦しい彼に、私は重たいチェーンソーで、首を撥ねた。
その後、私は近くの教会に出向かい。
そして十字架に、跪き、神さまにお願いする。
今度こそ、素敵な人に出会いますようにと。
◇
しかし、彼女は気づかない。
彼女の後ろには、かつて彼女が葬った男たちの死体が横たわっている事を。
そして純白であったはずのウェディングドレスが鮮血に染まっていることに。
やがて彼女は振り返りその後は……。
短編集その1 有刺鉄線 @kwtbna
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます