白日
久しぶりに書きたくなる曲に会った
King Gnuの「白日」だ
雪が降ったからかもしれない
>真っ白に全てさよなら 降りしきる雪よ
>全てを包み込んでくれ 今日だけは全てを隠してくれ
雪の白さは、すぐに汚れる
あっけないくらいに、すぐに汚れてしまう
だけどそんな一瞬でも、冷え切った寒さの中で頭を冷やして
無かった事にして、忘れてしまいたいような事がある
涙なんか、零れ落ちる前に凍ってしまえばいい
>忙しない日常の中で 歳だけを重ねたその向こう側に
>待ち受けるのは 天国か地獄か
その鈍感さを、人は「処世術」とか「大人になる」というのだと思う
覚えた術なのかマナーなのか、果たして「愛」なのか
人生の正午を過ぎ何になれるかも、もういい加減狭くなってきた
>真っ新に生まれ変わって 人生一から始めようが
>首の皮一枚繋がった 如何しようも無い今を 生きていくんだ
どれだけ肚の中が焼かれようと、言葉を口に出すわけにはいかない
知らせずに背負わせない事もまた、優しさだからだ
貰った分の愛を証明するように口を噤むのだ
まさに「『首の皮一枚繋がった 如何しようも無い今を生きていく』んだ」
>真っ新に生まれ変わって 人生一から始めようが
>へばりついて離れない地続きの今を歩いているんだ
人間関係をリセットしようが引っ越そうが履歴を消そうが
自分自身からは逃げることはできない
秘密を持つ人間は、誰だってきっとそんなものだ
誰かに言って楽になりたいなんて、思ってはいけないのだ
自分に嘘をつくことになる
嘘の重さは自分に返り、その重さの分だけ更に自分を壊す
壊れたら、歩けなくなる
重りを手放すのは、死ぬ時だけだ
とにかく心がこんなにざわつく曲は、久しぶりだ
勿論ボーカルの声が特徴的なのもあるけれど、どこか寒気のする音がする
人の無意識はどこか繋がっていて、「時代」が呼んだ歌詞な気がしたのだ
いや、するのだ
冬の寒い空気の中激しく燃える火のように、削って燃え盛る輝きの類の匂いがする
この危うさが、たまらなく好きだ
時代に愛されるということは、きっとこういうことなのかもしれない
長い長い一人語り @yu_3122
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。長い長い一人語りの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます