第3話これマジで生き残り絶望的じゃないかって思ったけど…… そうでもなくね?

 経験値更新所???


 なになになに? 何するの?何されるの?


 ちょっとだけ怖い!

 ダメだ…… さっきからテンパってて訳わからん……。

 テンションもおかしい。。。


 もうどうでもいいや。

 うん! もうどうにでもなれ!


 彼女はドアを開けた。

 きいいい……


「やあポンさん! 今日はどうしたの?」


 綺麗な女性…… エルフだ……。

 なというか、エルフって言われると清楚なイメージが先に立つけど彼女はなんというか快活な印象が強いな。男気があるっていうの?(失礼かな?)


 ジュルルル。

 うわっととと!! ヨダレはさすがにアウトですよね♪


「あら? 見かけないお連れさんね。お友達?」


 さっきから思うのだが、私の容姿がおばあちゃんに近いのは皆スルー?

 それとも魔物モンストールってあんまり年齢とかの概念ないのかな?


「そうじゃねえよ。こいつどうやら“変わり者”らしくてよ。ここで溜まってる経験値の更新してやってくれ。あと、ここもどこか分かってねえようだから“それ”もついでに頼むよ、フニフラット」


 経験値? 更新?


「わかったわ! よし、あなたこっちに来て。さっそく始めるから」


 えッ? えッ?


「よっこいしょ!! んじゃあ、とりあえず…… まずは溜まってる経験値から消化していかないとね。あなた見た所“魔導”“魔法”“魔術”どれもできないみたいだし、自分の体力にでも当てときな」


 ちょっと待って! その手に持っているドデカイ針は何?

 すごく大きな機械に繋がってるし、キュウウウウウンなんて音出してるし!!


 えッ? 頭にぶっ刺す? 大丈夫私この道のプロだから? 

 なるほど♪ そりゃ安心だ…… ッとかなんねえええよ!!

 誰がそんな超スピードで受け入れんだよ!!?

 この道のプロ? どんな獣道だよ!!!? 


 ってあれ? ちょッ ちょッッ ちょッッッ 

 イヤあああああああああああああああああああああああああああああああああ!


 プスリ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 結果的に言うと、全然痛くなかった♪

 これホント!!

 なんか綺麗に避けてるって感じ!!

 その道のプロ恐るべし!!


溜まってた経験値は引き起こしたって言うけど。。。

でも別に何か変わった訳でもないし、何されたんだろう……。


 えッ? 自分の意識に集中してみろ?

 ムムムムムムムムムッ!


『経験値:100P。《スキル》《体力》《攻撃力》《防御力》《俊敏性》いずれかに振り分けられます。このまま作業を続けますか?』


 うおッ!? なんじゃこりゃ!? 頭の中にはっきりと聞こえる! 

 経験値100P? 振り分け?


 あのぉ、フニフラットさん…… この場合はどうすれば……。

 ん? スキルがあるなら先にそれを取得したほうが良い?


 んじゃ……


『《スキル》にしますか?』


 はい←  いいえ


『《妖術 病起こし Lv1》が発現可能です。所要ポイント:100。取得しますか?』


 はい←  いいえ


『《妖術 病起こし Lv1》を取得しました。《妖術 病起こし Lv2》をするには150P必要です。このまま続行しますか?』


 はい   いいえ←


 とりあえずこれでOK? 


「スキルを持ってる魔物ってあんまいないんだよ? それを補うためにみんながんばるんだけど、あなた結構レアじゃんッ! それにしても《妖怪》なんて種族初めて聞いたけどやっぱりスキルも変わってるねえ。どんなスキルなの?」

 フニフラットさんが聞いてきた。


 と言われましても……。わからない……。

 ふえ? 頭にスキル名を浮かべれば詳細がわかる?

 結構便利にできてんだねこの世界……。

 あッ いえいえ! こっちの話ですから気にしないでくださいムチムチポンチさん。


 では…… ムムムムムムムムムッ!




『《妖術 病起こし Lv1》:「甘酒はござらんか?」と訪ね、これに相手が答えてしまうと、甘酒がある、ないのいずれの返答であれ病気になる』




 ストップ・ザ・現実。


 いやちょっとふざけろ(笑)  なんだこの陰険な説明文は!!? 


「甘酒はござらんか?」って!(泣)

 病気になるって!!(大泣)


 止めてよ泣きそうだよ! てか泣いてるよ!! 大粒だよ!! 巨峰かってくらいのが出てるよ!!! 次は“とちおとめ”かしら!!? やかましいわ!!? 


 なんか、こう…… なんでッこんなッ“#$%&‘‘*+|¥^-!!!!

(※どうか温かい目で見てあげてください)


 ・・・・・・・・・・・・・・・。


 もう、いい。喚いても仕方ない。

 ただ勘違いするな!! 私はもの凄く落ち込んでいる!! 混乱している!!


 これは一周回って、“賢者タイム”に突入しただけだから!!!!(←女だけどこういう言葉はきっちり知っているゲスなタイプ)


「スキルか…… よし! いっぺんどんなのか見せてみろ!」

 ポンさん(メンドくさいから“ムチムチポンチ”は以降コレで表記)がそう言った。


 いやいや。さすがにそれは! ケガするかも……。

 えッ? 俺の心配とは随分余裕だな、ますます後に引けんからやれって?

 ええ~。どうなっても知りませんよ……。

 んじゃあ……




 あ、甘酒は…… ござらんか……




「はあ? なんだいきなり? ハハハハハッ! そんなもんねえよ(笑)」


 ちょっと笑わないでくださいよ!!? いやだってこれが発動条件なんだし……。

 もうやだあ~~~~~~~~~~~~~~!!!




 ぐぎゅるるるるるうるるるるうるるるるるるるるうるるるるるるるるるるるうるるるるるるるるるるるるるるるうるるるるるるるるるるるうううううッ!!!!!




 へッ???

 あのポンさん?????


「ブモオオオオオオオオオオオオオオオオ!!! はッ はッ 腹があああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!! ぐぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


 ポンさん!!?? どうしたの!!? そんな転げ回って……。

 いやてっきりLv1だからもっと軽いものかと……。


 私が喋りかけるとみんな病気になる、か……。


「ブモオオオオオオオオオオオオオオオオ!!! はッ、はッ、早く解いてくれええ!!」




 ・・・・・・・・・・・・・・。




 どっしよっかな~♪

 え? なんて? お腹の音が大きくて聞こえませんよお~(笑)


 えへへッ。冗談ですよ。


「ぷはあ……。なんて恐ろしいスキルだ……。これでLv1だと? お前一体何モンだよ?」


 ふふふッ! 私にも分かりませんが、偉大な人物は得てしてそういうものでしょ?


 はいすいません。調子乗りました。だからそんな冷たい目で見ないでください。


 でも本当に分からないんです。この世界の事も。自分自身のことも。“変わり者”って言うくらいだから他にも私みたいなのいるんですかね?


 えッ? それも自分の意識に集中すればわかるって?


 ムムムムムムムムムムムムムムムムムッ!


『世界手帳オールレコードを開きました。検索したいワードを入力してください』


 ホントだ! これで大方の不安は解消だよ! ふっひょひょ~い!!


 なんだかここに来た最初はどうなる事やらという感じだったけど、希望も出てきた!


 これマジで生き残り絶望的じゃないかって思ったけど…… そうでもなくね?




 少し希望が出てきた甘ちゃんなのであった。続く……。

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甘酒婆、今日も行く。 @nabehito0816

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