常駐者のいない神社に派遣される渡り巫女と、少年の見目をした呪いの神様の物語。
メインキャラ2人のデコボココンビな掛け合いが、読んでいて楽しい一作でした。
『呪い』という物騒な題材を扱いつつも、同時に優しさも感じるお話です。呪いの神のクロからして、巫女のれんこをぞんざいに扱うなどしながら、本当のところは……? つまりひねくれたツンデレかと言えばそこは神様、そんな簡単な話でもなく。作中のミステリに関わるにあたって、人間とは明確に異なる価値観を見せる様が面白い。呪いと一口に言っても、そう一筋縄ではいかないということですね。
主人公のれんこも、礼儀作法を修めた立派な巫女さんだけど、いろいろと年相応に女の子女の子してる所が魅力的です。
一話一話が短めなこともあって、肩肘張らずに読めて、しかも癒される。
日本らしい情緒溢れる現代ファンタジーとして、是非お薦めしたいです。