第46話をちあゆ
本日の一品:鮎酒
鮎一尾を塩焼きする。少し焼き締めるくらいが良い。
日本酒二合ほどをお燗する。吟醸だと香りが強すぎるので純米か普通酒くらいで・・・・
焼いた鮎に燗した酒を注ぐ。
後は飲むなりほぐしながらつまむなり・・・・・・
これって、鮎の風味というか出汁を楽しむものだよなぁ・・・・・
でも、うまうま。
本文
とりあえず50音縛りでのオチだから落ち鮎とかを持ってくるのは如何かと思われる方がいたらごめんなさい。作者@流しの魚屋です。
さて、今回は落ち鮎から鮎について騙りたいと思うのですが、鮎についてあまり騙れないのですよねぇ・・・・・鮎自体は初夏の頃によく養殖物が入荷されるのですけど廃棄率も中々・・・・・一種のぜいたく品として認識されているからなのかどうか分かりませんがご購入されるお客様は少ないです。落ち鮎ともなれば秋の頃の子持ちの鮎を思い浮かべる方が多いでしょうがこれは入荷されることは余りありませんです。どちらかというと料亭とか百貨店向けに出荷されるそうなのでこちらには出回らないとのこと。一度食べた落ち鮎はうまかったなとか思ったりもしますが売れないなと認識して無理に仕入れたりは致しません。実際の話、落ち鮎の相場は初夏の鮎よりも数倍高いので気軽にご購入できないでしょう。
さて、鮎で来る質問というか苦情はやはりあの独特の香りでありましょう。鮎独特のきゅうりというか瓜科の果実のにおいがするのが傷んでいるとか商品の品質の劣化だとか言ってくるのです。養殖の鮎も、天然物と味を近づけようと飼料を工夫してこの香りをわざとつけているのですけど理解されないようで。これはキュウリウオ科の魚でよく見かける苦情である。逆に香りがないという苦情は見かけませんな。
除臭 除臭と時代は進む。
鮎が売れないならば売れる形に加工すれば・・・・・・・・・やってみましたよ。干物開き、売れない。鰓腸取り、それを捨ててしまうなんてもったいない。フライ用の開き、誰得?
結論、鮎はそのままで売りましょう。
ちなみに鮎の生食につきましては寄生虫の問題があるためにお勧めしておりません。って、いうか産地で食え。そもそも鮎の背越しとか知らないものの方が多い気が
「えっ!鮎って刺身出来たんだ!」
古参の売り場長さん、あんた何年魚屋・・・・・・・・・・・
「だって、俺が扱っているのは一般大衆魚に毛が生えた程度だよ。ばろちゃん(仮名)みたいに百の魚を扱うなんてしてないし・・・・・少なくとも今まで扱ったこともないような魚を平気で加工してお客様に説明できるのはばろちゃん(仮名)くらいだよ。」
「いえてる、俺たちの知らない食べ方まで説明できるんだから。」
あなた達の勉強不足です。ですから今日は飲み歩いて魚料理の実地研修です。
「それ飲みたいだけでしょう?」
正解。
その日の夜、私達は料理屋巡りをするのであった。とはいえあまり知識を得られるものがなかったんですけど・・・・・・・
「それはばろさん(仮名)が色々飲み歩いて知識得ているから。」
否定できません。
魚屋がふざけて言ってみる @valota666
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