第45話さびぬこたんはぁはぁ

本日の一品:涙すし


海苔の上に酢飯を乗せてワサビを乗っけて巻く。

酢飯と海苔とワサビだけの単純な味、とても辛い。


手巻き寿司で具材がなくなったときなどに・・・・・・

そういう時ってワサビもなくなっていることが多いんだけど。



本文


 タイトルは本文と関係ございません。決して、通勤途中でよく見かけるさびぬこに萌え転がっているなんてことはありません。猫は嫌いではありませんが魚の話とは関係ありませんので・・・・・・

 今回は強引なタイトル付けをしていますが・・・・・何時もだろうと言う突っ込みは無しにしてもらいまして、さび・・・・・わさびについて騙りたく思います。


 わさびと聞きますと刺身の薬味としてよく売られておりますチューブ入りのとかおまけでついてきている小袋でイメージされる方が多いと思われます、私もその口であります。下手すれば子供さんにわさびの根茎を見せたときに

「わさびってチューブじゃないの?」

 等と言ってくる笑い話も、これは実話です。魚がパック入りの切り身で泳いでいると描かれる時代でございますから、私の頃ですか?せいぜいめざしが串に刺さったまま泳いでいる絵を描いたのがいたくらいで・・・・・・どっちもどっちでございましょうか。こればかりは子供の頃の笑い話として捨て置かれるのがよろしいかと・・・・・・・


 さて、わさびとなりますと使い道自体が薬味くらいしか思いつかないのでありますが、葉や茎を酒粕で漬け込んだりおひたしにしてみたりしょうゆ漬けにしたりと産地では食べ方もあるものでございます。もっとも私はわさびを栽培することがありませんので縁がほとんどないものでありますが。

 薬味としての利用法ではほとんどすりおろして少量つけるといった使い方が大半でございます。蕎麦にしろ刺身にしろ・・・・・・・・・・醤油で溶くなんて言語道断だとか色々言われておりますが醤油で溶くとわさびの香味が飛んでしまうから納得であります。逆に香味が強いのが苦手な方は醤油で和らげるなどと言った考え方もありますわけで、そこで喧嘩はやめておきましょう。自分の小皿でお好きなようになさればよろしいので、決して目玉焼きの調味料とかから揚げにレモンをかけるかとかといった果て無き論争を行うネタを与えるのは勘弁願いたいものであります。この辺は本当に業が深いもので飲み屋で本気の喧嘩をされておられる方を見受けたことがございます。店員さんもご苦労様なことです。

 あとは最近見られるのが西洋料理の影響でございましょうか、わさびをドレッシング等の調味料として加工するのが見られます。これ自体はわさびという素材を向こうが見つけたのかこっちから歩み寄ったのか良く分かりませんが向こうにもホースラディッシュ等と言う食材があるから応用と見るべきか?山葵マヨ好きですよ、魚介系のフライ物のみならずにジャガイモにも意外と合いますから。和食洋食には山葵を利用する例が見られますけど中華には見られないのは加熱料理が基本の中華に揮発性の辛味成分はあわないからなのだろうかと推論してみたり。


 私が勤めていたところでは山葵の小袋の扱いというのは様々ありまして、刺身用とか刺身に入れておいているところもありますし、『ご入用の分だけお取り下さい。』とおいてあるところがあります。どちらでありましても山葵を多量に必要とするお客様が居られるのには閉口致します。

 よくある例としては刺身用に山葵を入れておいているのにこれだけでは足りないといわれるお客様。

「いや、実際足りないって。はまちの一筋にわさび一個って足りなさすぎだろ!」

 失礼致しました。確かにはまち(養殖ブリ)の四分の一サイズ(約500グラム)でわさびの小袋ひとつ(内容量3グラム程度)では足りないといわれても文句言えません。そのときは追加でお渡しいたしました。後は、5~6人前程度の大きな盛り合わせでわさびが二つ。

「お客様に行き渡る位欲しいのですけど?」

 これも納得、できればチューブ入りのわさびをご購入頂けますと当方としては嬉しいのですけど(売り上げ的な意味合いで)そこまでご予算がありませんようで。

「俺、わさびたっぷりつけて食べるのが・・・・・・・・・」

 それはチューブ買ってください!


 わさびの小袋をざる盛にしておいて『ご入用の分を』としておいたら一掴みもって行くお客様、マグロ100グラムくらいでそんなに使わないでしょう。突っ込みいれたいけど突っ込みいれたら店員が客に難癖つけているとクレームになりますし・・・・・・・・その店ではわさびを入れて提供という形になりました。

 実際の話、そのお客様が営んでいる店を見つけて刺身を頼んだらわさびの小袋が・・・・・・そんなところで経営努力しなくても・・・・・・・・・・・数年後近くを通ったら店は影も形もありませんでしたが。


 わさびの小袋は保存出来ると勘違いされておられるお客様が結構見受けられますが基本的にすぐに消費してもらう前提で製品化されておりますので後で使うからという理由でごっそりもっていかれるのは勘弁願いたいです。前にそのような理由でもっていかれるお客様にわさびの賞味期限を教えたところ、ほとんど戻されていきました。どんだけ保存するつもりだったのでございましょう。それ以前にわさびの小袋というものは商品をご購入されたお客様にサービスとしてお渡ししているものでありまして買ってもいないのにとか明らかにその商品でご利用なされる量以上持っていくのはどうかと思われます。

 話が反れました。わさび等の小袋の賞味期限は解凍後5日程度、店で解凍してからの日数を考えましても刺身の賞味期限と同等と考えてもらえると正解なのであります。間違っても数ヶ月単位で保存できるものだとか、冷凍しておけば持つとかという考えはおやめくださいませ。わさびの揮発成分は再冷凍に耐えうるものではございません。ショウガ、にんにくも同様であります。

 実際にあったのでありますが刺身の味が変だという苦情を受けましてお客様のお宅にお伺いしたことがございまして・・・・・・・・・刺身自体が特に変なところはなく(実際にご購入いただいた品は私が当日仕込んでおいた品なのだから)はて、と不思議に思ったことがあります。念のためにとどのようにお召し上がりになられたのかとお伺いいたしましたら、わさびが足りなくて前使わなかったわさびを・・・・・・・・・・・物を見せていただきましたら、消費期限数ヶ月前!しかも常温保存!おいっ!思わず声を荒げてしまったのは私の精神修養が足りないせいではないだけではないと思われますが如何に?

 添付の薬味とかたれとかの賞味期限は確認いたしましょう。一日程度ならば(責任は取れませんが)大丈夫なのですが数ヶ月単位だと面倒見切れません。どこぞのアメリカ人の馬鹿話で前世紀のケチャップとかという話もありますけどご家庭内での使わない調味料の期限を確認されたほうが・・・・・・・・

 といいつつ在庫整理していると期限切れている調味料が・・・・・・・捨てっ!捨てっ!捨てっ!

 家の冷蔵庫は・・・・・・・・うん、どこぞのアメリカ人笑えなかった。前世紀の香辛料を見っけてしまった。あまり使わないからねぇ・・・・・エスニック食材。そしてさらには前世紀の缶詰、これは普通に食えたなぁ・・・・・風味が飛んでいた気がするけど(おすすめしません。)


 後は鮨の製造に携わっていたときなんかはわさび増量とかという注文を受けたことがありましたが、増量したら逆に辛すぎとか・・・・・・・・・

 私が自分用で用意した鮨にひとつだけわさびをマシマシにした物を加えてオフ会でのお土産に・・・・・・ウケました。見事に引っかかってくれたのがいまして、涙目になっていました。いじめですかって?私は最初に説明いたしましたし苦手な連中は外れていましたし無理やりはしていませんよ。でもお返しにって焼酎の青汁割はいただけませんよ。緑茶ハイと勘違いして飲んでしまったではありませんか。昨今の世相だとこの話はやばいかな?どこぞのピザ屋とか弁当屋とか見たいに炎上しませんよね?

 次のときも同じなのを用意してみたら辛いのが好きなのに当たって、普通に食われた。ちくせう。



 さて、小腹がすいたし鮨でもつまみますかねって・・・・・・・・

 さびぬこさんかい、こらこら擦り寄ってもあげられないぞ。と思ったら隙を見てマグロを・・・・・・って、それワサビ付なのに・・・・・・・・・・ひどい目に合って。

 その後私の側にさびぬこさんは近寄ってこない、自業自得だと思うんだけど。さみしい。

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