僕と彼女の探り合い

@domomo88

第1話 知りたくなかったこと

あるツイッターの投稿を目にした。

「婚活始めました」

その投稿を読んだ時、とても心が重くなり、食べようかと思っていた夕食も億劫になってしまった。

なんでなんだろう?どうして? その言葉が体中にまとわりついていく。


僕には彼女がいる。同じ職場の1歳年上の女性。月に1・2回のデートを重ねながら、約1年の交際期間が経とうとしていた。だけど、先ほどの投稿は、その彼女のものなのだ。

彼氏が見ることができるツイッターにそんな事を書くわけがないと思われるかもしれない。だけど、これには理由がある。なぜなら、彼女はプロフィールに本名も書いてないし、職場の誰にも存在を明かしていない。まして、僕には絶対に知られていないと思っているからだ。

彼女のツイッターを知ってしまったのは些細な事が原因だ。偶然にも彼女の携帯画面のアカウント名が見えて、興味本位で検索してしまった。それだけの事。

一度知ってしまうと、忘れることはできず、心のどこかでは悪いと思いながらも、彼女には内緒で投稿を確認してしまっていた。


彼氏がいるのに婚活をする女性の心理はなにか。僕を嫌いになったから? 結婚相手だとは思えないから? もう別れようと思っていているから? 新しい相手を見つけたいから?

浮気とは別次元なのだろうけど、裏切られた気持ちは、どうしても心に残ってしまった。それでも、どうしようもないことに僕は彼女を好きだった。会いたい気持ちはあり、彼女に連絡を入れる。

「今度の空いてる日に、一緒に過ごさない?」


果たして、彼女はなんて返すのだろうか。

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