1章 60年ぶりの面接に向けて part2
空を見上げて見るともう夕方でソフトバンクは明かりは消えていた。
電話を買うだけなのに初めてが目白押しで高鳴る鼓動は86歳の心臓には余りにも堪えるものがある。
だがしかし人生の再スタートに喜びも感じながらわしは、帰宅した。
次の日、わしはソフトバンクに来店していた。
平日の昼間だと言うのに何故こんなに人だかりが出来ているのか理解に苦しんでしまった。
なんやら今日はインターネットとやらの調子が悪いみたいで人だかりが出来ているらしい。
朝10時に来店して携帯電話とやらのカタログを見て待つことにしたが待てども待てどもわしの順番が来ない。
何度も繰り返し見るカタログはもう新鮮味もなく見慣れてしまっていた。
ようやくスタッフの方がわしの前で接客してくれる時にはもう午後の2時になっていた。
カウンター席に誘導されて椅子に座ると同時にスタッフが喋りだす。
「お客様、お待たせいたしました。
ご携帯電話の機種変更ですか?」
「いえ、電話を買いに来たんでけど」
「お客様、ご携帯電話はお持ちですか?」
「持ってません」
「では、ご契約と言うことで宜しいでしょうか」
「…。」
電話を買うだけで契約(?)最近は契約しないと家電の1つも買えないのかとわしは信じこんでしまい、スタッフに言われるがままに契約書にサインをしていった。
順番待ちしていた時に見ていた携帯電話のカタログを見たスタッフがわしに機種を聞いてきた。
「お決まりの機種とかありますか?
今これが人気の機種となってますがどうですか?」
カタログで気になったものは無いがこの中から選ばないといけないとしたら文字やら数字が書いてある折り畳み式の電話にしようとした。
黒電話にも数字が書いてあったことを思いだし折り畳み式の電話わ指差した。
そうしたら、スタッフは…。
「すみません、当店では在庫がありません。
他にはございますが」
っえ(?)ないの(?)と思いながらカタログでまた使いやすそうなのを探してみるが何れも大差無く小さいテレビみたいなものしかなくスタッフにお任せで買うことにした。
「おすすめでお願いいたします」
スタッフは呪文のようにペラペラ喋り
独り言のようにたんたんの事が進み手元に来た電話が線で繋がれていない電話だった。
あと使いにくそうなテレビみたいな電話だった。
わしは、少し後悔を感じていた。
わしは、電話を買い終わりスタッフに見送られお店を出た。
わしは、86歳で初めて携帯電話(スマートフォン)持ちになってしまった。
使い方は全くわからない…。
爺終末~theEND~ Madfum with 伊丹狩留 @madfum
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。爺終末~theEND~ の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます