死神の変態は、ハチミツの使い方を間違えるそうだ。
鯖ジョーカー
第1記
「だから、やめろっての」
死神教会主の間の奥。
セクシーな人間の骨など、立派な絵がたくさん飾られている壁側の近くに置かれたでかい椅子に、まるで王様の如くふんぞり返る死神教会の主カレスの前にも脅えずに、ただ俺は反抗し続ける。
「だから何度も言っているであろう?百年も死神としての任務を無視し、死神教会特殊会議にも幾度となく無断欠席したろくでなしが、罰が与えられぬ事などありえん。
よって貴様に絶対任務を与える。それが道理というものだ」
「俺は、死神のきゃわい~女の子のおっぱいの観察ごっこをしたいだけなんだ.......」
「はぁ............」
「だから、あと一回だけでいいから............お願い神さま。ボクちんにおっぱい教の礼拝をさせて下さい」
変態には、物は言えない。
しかし、女の子の無礼をよしとするアホは、ろくでなしなりにやってもらわねばならない。
という展開にならないよな。絶対に。
「よし、分かった。最低一人だけでもいいのから、お前の餌に呪いをかけてこい。絶対だ」
「いやいやいや!!待って待って待ってよ。それ俺がやることじゃないよね!俺がおっぱいの罰を受けるとかじゃな.........」
「そんなに変態ごっこしたがる死神オタク童貞が、血の味も忘れたのかね。彼女引くぞ」
「ノンノン。気持ち悪いマッサージサービスなんかないだろ、変態の権力も知らぬクソ主さんよ。」
「そういえば死神の臓器移植の研究がなされてるそうだ。お前の恋人、というか被害者?なんでもいいが、お前の体を出すよう、科学会に要請しようかね.......ヒヒヒヒヒ............」
「趣味悪いね。むしろ俺以下か」
「長話になるから、送るか。前にも言ったが、女一人を宜しく頼むぞ。よし、イマジナへ転送っと..........」
「急に話止めんな馬鹿野郎!ああ、誰か止めて!バーストクロスメキメキ巨乳妖精でもいいからああああああああああああああああああああああああ!?」
イマジナという世界が何なのかも知らないまま、俺はその世界に転送(実質、追放)されたのだった。
「ねぇ、大丈夫?」
薄かった意識が戻る............
これまでに聞いてきた、癒しの女の声。
俺が好きな、きゃわいいベールを纏ったような。
ん?なんだか俺の獣の血を騒がせて............
「ねぇ、本当に大丈夫?」
暗闇から、視界が広がる。
意識はまだ少々薄いものの、次の手の感触で。
むーにゅっ、と。
柔らかい。何なのか。一般の死神よりも深い。
豆腐を触る以上の柔らかさ。
「お~」
思わず声になるほど、癖になってしまう。
この肌色の丸い出っ張りだけを俺は触る。
「きゃっ」
何か高い声がしたが、空耳のようだ。
気にしない。また、触ろう。
もみ、もみもみ。
弾力がややあるのが難点だが、それよりもひどい死神のおっぱいよりはましだ。
おっぱい。おっぱい?
だとすると、人間の............
「おっぱい、おっぱいっ!!」
俺は本能が覚醒し、前やっていたシューティングゲーム(キャラガだったような)をしているかのように、手さばきがうるさいほどすごくなっていた。
揉む、という手さばきが。
もみもみ、もみ。もみもみもみ、もみ。もみもみもみもみ。もみもみ。もみ。もみ。もみ。
「きゃ、きゃ............」
どうせ空耳だ。
もみ、もみ、もみ。もみもみもみもみ。
もみもみもみもみ、もみ、もみもみ、もみもみもみもみもみ、もみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみ........................
「きゃあ、きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
よし、来た。断末魔だ。
よく顔を見たら、緑のショートヘアのガールがすごい何かに刺激されたかのように、大声で叫んでいるではないか。
「ども、こんにちは。イケメンオタ野郎、サニメスでございますよ、と」
「そこで何がこんにちはよ!!!さんざんわたしの胸を触っておいて........ちょっとそこに立ってなさい!!」
「ボクが何の罪を犯したっていうのかな?そんなのいいから一緒に散歩でも..............って、うわあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
そしてこの始末である。
俺は、たった一発の、しかし確かに痛みが走ったビンタを頬にくらった。
「全く......初見の人に向かって最低な男」
「全くおっぱいで喜ばないガールなんて最低ですな」
「ああ、やっぱ気だるそうな顔と仕草みて分かったけれども、本当に反省しないのね」
「なん十回も言われると、さすがに耳が痛いし、胸が胸が胸が胸が痛くなるぜ」
「胸って、何回も言ってる地点でよっぽどね...........まあ、良いわ。それでわたしはヌネサっていうの。あなたは?」
「改めて言うぜ。俺は、サニメス・マッドヌード、今後とも宜しく」
お互いに素性を知り、頷きあった。
ただ、俺が死神だとは、しばらくはばれないだろう。
人間になりきる才能だけは、あのクソ主さまも認めていたから。
まあ、とりあえず、この世界にいられるような目的だけは作りたい。
1つはもう、考えついている。
「あのな、ヌネサ」
「なに?」
そう。
「腹減ったから、どこか食堂ね~か?」
「う~ん.......まあ、とりあえずわたしがうまいと思ったとこにするわ。それじゃ、ついてきて」
「ああ」
手を握った。
温かい。先程のおっぱいとは違う意味で、先程のように柔らかい。
「あ、手ちょっと痛いじゃない。もうちょっと柔らかく握って」
「ああ」(ニッコリ★)
「渾身のネタでしょうが、わたしを胸キュンさせようとしてもムダよ!」
ムダか、しかも真顔で。
却下する気まんまんじゃないですか。
「ま、ちょうどあんたみたいな黒コート男が興味ありそうな話あるから、ついでに聞いてよ」
興味深い話?
メシと、美少女アスリート、美少女モデル、美女アナウンサーなら興味あるが。
こうして、少々の期待と不安を胸に俺はイマジナという世界を探索する事となる。
死神の変態は、ハチミツの使い方を間違えるそうだ。 鯖ジョーカー @akatsuki333
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