自分には勉強しかないと思っている長谷さんが本作のヒロイン。
勉強さえできればそれでいいと思っている彼女は、周囲のやっかみや嫌がらせにも動じない強さがありますが、それはきっと他人との距離の取り方がよくわからないから。
そんな彼女に対してぐいぐいと距離を縮めていこうとするのが、イケメンで女子力の高い久賀君なのです。
長谷さんは他人と距離があると言っても、決して頑なに人を寄せつけないというわけではありません。
久賀君が自分のためにいろいろと気遣ってくれていることは伝わってくるので、彼女なりに彼のことを思いやったりしていますが、どうして彼がそこまで自分のことを気遣ってくれるのかがよく理解できません。
いえ、彼はかなーりわかりやすく伝えているんですけどね(笑)
そんな勉強はできるけどとっても不器用な長谷さんと、勉強はできないけれど優しくて器用な久賀君の凸凹コンビの恋の行方をニヤニヤしながら楽しんでみませんか。
誰かに認めてもらうということは本当に難しい。
不器用な彼女は「学業で良い結果を残すこと」のみが自らを認めてもらうための唯一の手段と信じ、それに傾注する。
少年はあるきっかけで彼女を意識するようになり、言葉を掛け続けるが、その想いは社交性に乏しい彼女にはなかなか届かない。
初めて、学業の成績ではなくてひとりの女の子として「認められた」彼女の戸惑う心の描写がとても新鮮です。
初々しいやりとりが、忘れていたものを思い出させてくれました。
長編の1エピソードとして綴りたくなるシチュエーションが、掌編としてよくまとまっています。
あなたも宜しければ、ちょっとほんわかなってみませんか?
少女漫画好きには是非読んでいただきたい、王道ほのぼのラブコメ!
私には、【勉強】しかない。クラスメイトから空気のように扱われることにすら違和感を覚えず、教室の中でもがむしゃらに勉強に向かいつづけている優等生な女の子が本作の主人公、長谷さん。
勉強が楽しくて仕方がないから勉強に励んでしまうのならとても喜ばしいことなんですが、長谷さんが勉強に向かい続けている理由はとても切なく寂しいものです。彼女は、楽しくて勉強をしているわけじゃない。
取りつかれたように必死に勉強をして、クラスメイトの誰にも見向きをされなくなってもどうでもいいと思っている彼女ですが、なぜか、そんな長谷さんをやたらとかまってくる男の子がいる。
それが本作のヒーロー、クラスの人気者な久賀くんです。このヒーローくん、とっても魅力的な男の子なんです!
そっとクッキーを差し出す、そこいらの女子よりもずっとずっと女子力の高いところ。他の女子が長谷さんを無視して自分にだけ話しかけてきても、ハッキリと自分の意志を主張できるところ。その後も、果敢に長谷さんに絡み続け、当の彼女からは無自覚で結構残虐な塩対応をされているところ。笑
それでもイケメンらしく、押さえるべきポイントはきっちり踏んでくるところ。まごうことなき、爽やかわんこ系イケメンです!!
そんな正反対な二人のやり取りは読んでいてにやにやしてしまうし、とても癒されます。にやにやできて、読後は胸がぽかぽかとあたたまる物語をお求めのあなたに是非おすすめな作品です!