異能バトルは非日常で

フミミン

プロローグ

「なんで、テレビなんか見てるんだ、俺」


1つだけポツンと置かれたテレビを前に、俺は誰に聞くでもなく呟いた。

特に、頭が混濁しているだとか、眠っていた覚えも無く、気を失っていた覚えもない。

・・・いや、違うな。そもそも、何も覚えていないんだ。


自分がなぜここにいて、どうしてテレビなんかを眺めていたのかも思い出せない。

先ほどまで見ていたはずのテレビの内容すらも覚えていないのだ。

俺は、またテレビを見てしまう。

画面には、何かしらのエンドロールと思しき文字が流れてくる。

だとすると、俺は今まで何かの映画を見ていたのか。


「だめだ、何も覚えてねぇ。っつ〜か、どこなんだよここは···」


そうだ、まずは現在地を確認しよう。

なにか周りに、状況を把握できそうなものはないか。

建物でも、窓でも、ひとでもいい。

そんなことを考えながらあたりを見回した俺は─────


─────飛び込んできた光景に、我が目を疑った。


「······嘘だろ、おい」


辺りには、四方何百キロ先まで続いているのか目測も立たないほどに延々と、純白の世界が広がっていた。

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異能バトルは非日常で フミミン @wcat_fumimin

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