11W 王様ゲームがはじまる
王様ゲームの始まりは、予期せぬ静けさから始まった。参加者たちは、互いに視線を交わしながら、次に何が起こるのかを固唾をのんで見守っていた。
「それでは、最初の命令だ。」
王様がゆっくりと口を開いた。その声は、普段の陽気さとは裏腹に、どこか冷たく、参加者たちの背筋を凍らせた。
「1番の者は、3番の者に愛の告白をせよ。」
命令が告げられると、場には緊張が走った。1番の者、すなわち俺は、戸惑いを隠せずに3番の者、エルフの少女、リーリアを見た。リーリアは、その美しい顔をわずかに赤らめ、目を伏せた。俺は王様の無茶な言葉に、面識のない少女を見て戸惑った。
「ええと、これは、その、ゲームだからね?」
俺は、場を和ませようと冗談めかして言ったが、誰も笑わなかった。王様ゲームの雰囲気が、彼らの心を重くしていた。
「早くしろ、1番。」
王様が冷たい声で催促する。俺は覚悟を決め、リーリアに向き直った。
「リーリア、君の美しい瞳、そして優しい心に、俺は…」
俺は、与えられた命令をこなしつつ、自分の気持ちを正直に伝えようとした。しかし、俺の言葉は、王様ゲームの非現実的な状況と、リーリアの戸惑いの視線によって、宙に浮いてしまった。俺たちはこんなことをするために、提案を吞んだのか?否!しかしこの状況を最後まで飲まないと、次に進めないと思う。
「はい、はい、そこまで。」
王様が手を叩き、俺の告白を遮った。
「次は、2番の者は、4番の者に面白い話を聞かせよ。」
ゲームは続く。参加者たちは、与えられた命令をこなしながら、この異様な状況に戸惑い、そして少しずつ恐怖を感じ始めていた。そう王様の気まぐれと、ゲームの先が読めない展開がさらに場の緊張感を高めていいる。ハートは俺のほうを不機嫌そうに見つめている。
俺は、この王様ゲームが単なる遊びではないことを悟り始めていた。王様の命令は、参加者たちの心を試しているようだった。そして、その試しの先に、何が待ち受けているのか、誰も知らなかった。
ゲームが進むにつれて、参加者たちの間には、疑念と不安が広がっていった。彼らは、互いに疑心暗鬼になりながら、次の命令を待つしかなかった。王様のスリリングな命令はいつまで続くのか?勘のいいニュータイプでもわからないだろう。
王様ゲームは、まだ始まったばかりだ。しかし、その終わりが、彼らにとってどのような結末をもたらすのか、誰にも予測できなかった。しかし俺はこの世界に異世界転生して良かったのだろうか……?
+ 街のでんきやさん の 俺が -異世界転生したらなぜか適応出来た件?! 河杜和空 @waku_k
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